金沢歴史遺産探訪月間が昨日から今年も始まりました。探訪会、文化財公開、伝統芸能披露と多くのイベントが開催されます。
今日は、惣構跡探訪会に参加しました。昨年第一回として西内・外惣構跡探訪会が開催され、今年は東内・外惣構跡探訪会が開催されます。
今まで惣構の探訪会は西惣構が中心だったので、東で開催されるのは今回が初めてではないでしょうか。講師は惣構跡探訪ではすっかりお馴染みになりました、金沢工業大学の増田教授です。
2年続けての参加が多いものと思っていましたが、数人だったのが意外でした。
集合場所であった金沢市庁舎南分室で講義を受けてから出発です。
東外惣構の見所はやはりその始点になる兼六園内の山崎山ですね。
早速、出発して県立美術館裏の階段を上り、小立野口から兼六園内に、山崎山で初めの解説です。
喰違虎口の一部であった山崎山は土塁の一部であり、古木が多く樹生するあたりが言われてみると庭園とは異なる趣に見えます。
そこから八坂を下り、路地に入ります。東外惣構が流れ落ちる道筋は非常に少なくなっているのですが、写真の中央の用水は新しいものです。右側からこの用水に合流している溝が惣構堀の名残りだということでした。
そこからすぐ近くの駐車場に土盛りが残っていますが、これが土居の跡ではないかと思われるのですが、民有地のため保存が難しいそうです。貴重な文化財ではありますが、一般生活との両立ができないのは残念なことです。
そして、材二親和会童志園は敷地が惣構堀、向こうの壁が土居の高さを示しており、痕跡は全くありませんが、その大きさのよく分かる場所です。
途中、旧成瀬家邸の立派な石垣を横目に、常福寺をぐるりと回ります。常福寺の敷地は一段高くなっており、その敷地に添って惣構は流れていきます。
ここで予定コースは横山町に入るのですが、賢坂辻を曲がり、東内惣構へ向かいました。
内惣構は小将町中学校の前から始まり、味噌蔵町小学校に向かって下ります。小学校前でみんなが覗き込んでいるのは・・・・
惣構が道路下を通り、流れてくる惣構堀跡です。ここでほぼ直角に右に折れます。
ここから入ったことのないような細い路地に入りましたが、惣構堀と土居との落差がよくわかる場所でした。
味噌蔵町交差点から斜めに入り、寺島蔵人邸の1本南側の道を歩きました。ここが惣構の内側の道、内道の跡です。1本北側の道路(寺島蔵人邸前)とは確かに落差があります。
また、個人宅に残る松の木は打道の幅を示しているそうで、興味深いですね。
枯木橋で惣構の深さを実感し、
最終地点は東内惣構堀枯木橋詰遺構です。皆さん最後まで真剣に話を聞いていましたね。
来年も開催されるか分かりませんが楽しみにしています。