金沢城玉泉院丸庭園の復元 泉水、中島の造成に着手

加賀藩の築庭様式の中で、ひときわ異彩を放ったとされる名園が現代によみがえる。石川県は新年度、金沢城玉泉院丸庭園の復元に乗り出す。江戸末期の絵図や埋蔵文化財調査で確認された遺構を基に、泉水や中島などの造成に着手。パノラマ上に広がる石垣景観との一体的な整備を進め、2014年度の北陸新幹線金沢開業までに往時の姿を再現する。
新年度は、文化庁や玉泉院丸跡調査検討委員会の専門家らと協議し、庭園の復元に向けた具体的な設計に入る。江戸末期の絵図や埋文調査の結果を基に、池の形や位置を忠実に再現するほか、庭園に植える樹木についても兼六園など他の大名庭園を参考に、当時の植生を再現する方針だ。
県は、北陸新幹線の金沢開業までに庭園中心部を先行して整備するとともに、外周部の埋蔵文化財調査を続け、遺構などが確認できたところから順次復元していく。
県は、玉泉院丸跡の外周石垣の復元工事にも着手する。旧県立体育館の出入り口を造る際に取り壊された合同庁舎前交差点前の石垣が対象で、スロープで分断された部分に戸室石を積み足し、城郭外周の景観を整える。(北國新聞2012年1月3日付記事より)

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