三国東尋坊近くの越前松原と呼ばれる景勝地に丸岡藩砲台があります。砲台というのは近世末に外国船の侵攻に備えて海岸を中心に造られた「台場」と言われている施設です。
整備から長い時間が経つのでしょう。史跡内に立てられた石碑は海風に煽られて傾いています。
入口には駐車場も完備されていますが、雨降る日曜日の朝にここを訪れる者はいません。
松原というだけあって松が多いようですが、砲台は海岸沿いの低い平地に作られていました。
東尋坊に近いこともあるのでしょう。岩がむき出しの崖地も所々にあり、
台場の材となる石材には事欠かないようです。ふと、海を眺めると・・・
最も遠くの石の上に、今も海を見守るように一匹の鵜が止まっています。
大砲は撤去されていますが、その台の保存状態は良いようです。台場一帯がこれほど良好に残り、当時を想像できる場所も少ないのではないでしょうか。
海側から見るとこういう感じですが、すべて石積みではなく、大砲を置いた場所の両側が石垣で、後は土塁となっています。
内側から海を狙うとこんな感じです。先程の鵜を狙い撃ちするとこうなります。内側のほうが石垣が重厚に積まれています。
よく見ると、積まれた石には「嘉永」の文字が刻まれたものもありますよ。ぜひ現地で確かめてください。