加賀藩の黒色火薬製造施設だった「土清水塩硝蔵」の第4次発掘調査で、火薬の原料を練り合わせて板状に延ばす工程を行ったとみられる「縮具所」の遺構が金沢市涌波町の発掘現場で見つかった。施設内に水路の跡が確認されたことから、辰巳用水の水を引き入れて水車を回していたと考えられ、同用水と塩硝蔵の密接な関係があらためて裏付けられた。
調査結果は、12日に開かれた現地説明会で報告された。縮具所は、1864(元治元)年の塩硝蔵改修工事に合わせて新築されたとみられ、絵図に配置が示されているが、その役割ははっきりしていなかった。4ヵ年にわたる発掘調査は今回で一区切りとなり、市では年度末をめどに報告書をまとめる。(北國新聞2010年12月14日付け記事より)