内堀に映る天守が絵になる富山城ですが、元々の富山城には天守はなく、戦後城址公園で開催された博覧会に合わせて建設された模擬天守です。
模擬天守は郷土博物館となっていて、富山城の歴史について学ぶことができます。数年前にリニューアルされてから、現代的な楽しい展示となりました。一見の価値ありますよ。
この博物館を眺めながら内堀を渡る橋が、二の丸から本丸に入る大手口となります。
橋を渡ると、そこは石垣虎口となっており、右に2石、左に1石、前に2石の計5石の鏡石が配されています。この5石は陰陽道の五芒星を意味するとも言われています。
その石垣を進んで、右に折れたところに鉄御門がありました。
現在、藩政期の富山城の建造物遺構として残るのは、唯一この千歳御殿の門です。戦後民間に払い下げられていたが、平成19年度に寄贈・移築されました。
千歳御殿は10代藩主利保の隠居所として、現在の歓楽街である桜木町あたりに建てられ、移築された門は御殿の正門でした。北向きに建てられた門は晴天下では陰になって絵になりません。
本丸への搦手口を入ると、佐藤記念美術館があります。
その前には今年日本庭園が整備されました。
整備前の発掘調査でここから戦国時代の素堀の井戸が発見されました。現在は埋め立てられ、位置だけわかるようになっていました。
この発見により、今まで神保氏や佐々氏の居城した中世富山城がここにあったことが初めて考古学的に証明されました。
富山市埋蔵文化財センター 富山城研究コーナー