石川県立図書館で石川県立図書館史料編纂室室長の東四柳史昭氏による「畠山義総と室町幕府・本願寺」という講演を聴いてきました。
能登畠山家は他国へ侵攻せずに滅ぼされてしまったために評価が低いのですが、義総が治めた約30年は守護の本分を全うし、安定した治世を維持したことは評価されるべきと東四柳氏は強く主張していました。北陸の戦国大名では越前朝倉氏が有名ですが、能登畠山氏(管領畠山家分家)、若狭武田氏(甲斐武田氏分家)など室町幕府守護が比較的多く残った地域です。朝倉氏の拠点があった一乗谷は野外展示の史跡としても有名ですが、当時の北陸最大の都市は七尾だったかもしれないと、越前は府中(武生)と一乗谷が分かれていたので、能登府中と連続する新城下町を築いた七尾は巨大な都市だったと言われれば、都から能登へ貴族や文人が数多く身を寄せたという既知の話の辻褄が合うではないか。
今日は早めに会場入りして前のほうの席に陣取りました。事前予約が必要でしたが、始まる頃にはいっぱいでした。
「加能史料」は石川県内の古代から前田利家金沢入城までを、他県を含む自治体誌や未発表の古文書をもとに編年体で収録するものです。利家入城以後は加賀藩史料があるのでその前までということになっています。
今年「戦国X」が発刊され、天文7年(1538)~天文9年(1540)の出来事が収録されています。あと2~3年で編纂が完了するそうです。