今日は広坂別館で金沢市埋蔵文化財センター主催で、第12回市民ふるさと歴史研究会「加賀八家墓所からみる近世の社会」が開催されました。先着70名でいつも通りお年寄りばかりでしたが、開始20分前にはすでに会場はいっぱいでした。
ということで、今日は最前列へ。加賀八家のご当主方(本多家、横山家、前田土佐守家)のお隣となりました。緊張ー-!
最初に、近世史料館の宇佐美孝氏の「加賀八家と野田山墓地」というテーマの講演会。
加賀八家の前田家への仕官時期や、加賀八家の成立についておさらい。
知らない方のために、菩提寺と墓所をまとめておきます。
家名 菩提寺 墓所
本多家 大乗寺(曹洞宗) 大乗寺
長家 東嶺寺(曹洞宗) 野田山のほか3カ寺
横山家 松山寺(曹洞宗) 野田山
前田長種家 玉龍寺(曹洞宗) 玉龍寺
奥村宗家 永福寺(曹洞宗) 野田山
村井家 桃雲寺(曹洞宗) 野田山
奥村支家 永福寺(曹洞宗) 野田山
前田直之家 桃雲寺(曹洞宗) 野田山
大乗寺を野田山域と考えると、前田長種家以外は藩主家と同じ野田山に墓地を定めていることになる。長種家については、まだ尾張に居たときに開基された菩提寺だけに、赴任地の変更とともに、越中、小松、金沢と移動した経緯に理由があるようです。
平成20年度から4カ年計画で進められた加賀八家墓地詳細調査の成果発表という側面もあるので、その報告も行われました。
各家ごとに墓石の形状や歴代の並び方に特徴があることがわかりました。
発掘調査は方墳を避けるようにして横山家墓所で行われました。方墳の基台のまわりに空堀がめぐるのが藩主家と同じ特徴です。
横山家では文献調査も同時に行われ、絵図から隣接して家臣の墓所が建てられていること、他の八家の当主どおしが墓参することがあったことがわかりました。
とても有意義な報告だったが、4年の成果を2時間半に集約するのは至難なことで、説明不足なところが残りました。あとは報告書ができたら確かめましょう。