今年もまた金沢歴史遺産探訪月間が始まっています。今日は小立野の如来寺へ行ってきました。
如来寺は加賀前田家の菩提寺のひとつで、5代藩主綱紀公が母のためにこの地に寺領8000坪を与えました。
14時から住職より寺の歴史の話を、市職員より本堂の特長の話を聞きました。
前田家の菩提寺は、小立野の宝円寺、天徳院をはじめ、高岡の瑞龍寺などありますが、3寺は曹洞宗であって、ここ如来寺は浄土宗であります。これは、江戸増上寺を菩提寺とする徳川家から嫁いだ「大姫」の菩提寺だからです。増上寺は浄土宗大本山、大姫は綱吉公の母となります。
こちらは本堂の正面広縁に飾られた「六道彫刻」です。
地獄から天道まで並びますが、彫刻とは言え、地獄は悲惨さが、天道は有難さが伝わってくるのです。
如来寺本堂は昨年12月に金沢市文化財として指定されました。両9間のほぼ正方形の江戸後期の建造物です。
ご本尊は阿弥陀如来であり、内陣には徳川家の家紋である葵紋が大きく目立ちます。浄土宗の内陣はひとつのお寺であり、阿弥陀様も屋根の下に入っています。
内陣の阿弥陀様の後ろには前田家御霊屋が設けられ、御位牌が祀られていました。普段は入ることができない場所にも入ることができ、とても貴重な経験でした。