今年も金沢市のスタンプラリーが始まりましたよ!
室生犀星記念館(必須)、前田土佐守家資料館、金沢市老舗記念館、金沢ふるさと偉人館、中村記念美術館、鈴木大拙館、金沢くらしの博物館のうちから5館を訪れてクイズに答えると(間違ってても大丈夫)、記念品がもらえます。
今年は何かな?と思っていましたが、今年は一筆箋でした。もう一周くらいできるかな。
今日は石川県立歴史博物館で始まった夏季特別展「マンダラ」も見てきました。
中央アジアからチベット、中国を経て日本に広まった大乗仏教の修行に使われる「マンダラ」。
自分のみならず他人の悟りをも導くことを目的とする大乗仏教に対し、己の悟りを目的とする小乗仏教(大乗仏教が卑下して使用した名称で起源の教えはこちらが近いそうだ)はタイ、ミャンマーなど東南アジアに広がったそうだが、大乗仏教に108も観音がいるなんてことを初めて知りました。日本名のない観音もいたので、すべて入ってきたわけではないみたい。マンダラもたくさんの種類があるけど、日本には空海によって「胎蔵曼荼羅」と「金剛曼荼羅」の2種類が入ってきたようです。
そもそも曼荼羅は人間や世界を表していて、人間と自然の共生を説いているようですが、日本では教義に世界や自然との共生がないのが特徴だとか。
併設企画で北陸の曼荼羅も紹介され、白山曼荼羅と館山曼荼羅が興味深いですよ。来月11日に解説があるようです。
カテゴリー: 歴史散歩
石動山まつり2012
梅雨まっただ中、悪天候だったけど予定していた中能登町の石動山まつりに行ってきました。
石動山は中世に開かれた山岳寺院で、開祖の泰澄大師の命日とされた7月7日に開山祭が行われます。
直接現地に行くには細い道を進む必要もあるので、中能登町のラピア鹿島からシャトルバスを利用して現地へ向かいます。
開山祭は伊須流岐比古神社の拝殿で行われます。鳥居の横の手水鉢にはイワシガ池の湧き水がひかれ、名水として地元の方に親しまれています。
拝殿には雨の中でもたくさんの人が来ていました。
開山祭は、もとは開山堂を所掌する宝池院が執行し、明治以降も宝池院を継いだ宝池家が執行していましたが、大正10年から石動山区長が行うようになったようです。
参拝者がイワシガ池にわき出る水をペットボトルなどで持ち寄り、祭壇に供えてあります。お祓いの後に持ち帰ります。
読経の後、一人ずつ参拝となったので拝殿をあとにし、石動山資料館の展示を見ました。今日は拝観無料です。
70点の石動山関係資料が並んでいます。中でも「石動山境内古絵図」は見応えあります。
受付売店に中能登町が編集した「新版 国指定史跡石動山」という書籍が販売されています(1000円)。石動山の歴史や見所、史跡整備事業として復元された大宮坊復元の過程が掲載されていて、散策の役に立ちますよ。
開山祭のあと、大宮坊書院で記念講演会が開催されました。今日は雨のため、間の天平太鼓の演舞は中止となりました。
石動山を護る会が25周年を迎えたということで、
金沢学院大学の東四柳氏による「石動山と能登の霊山信仰」というテーマの講演で、能登二宮であった石動五社権現(石動山伊須流岐比古神社)が能登にどのように影響力を持っていたのかという興味深い内容でした。
歴史公園として整備されていますが、生憎の天候ですのでまた天気の良い日に再訪することにしましょう。
百万石の文化講座 「前田利長・利常と前田家庶子の命運」
石川県立美術館の百万石の文化講座に参加してきました。
今年度一回目は金沢学院大学の見瀬教授による「前田利長・利常と前田家庶子の命運」というテーマの講演でした。
前田利家と嫡男利長の兄弟に関する話で、なかなか無いテーマでもあったのですが、たくさんの聴衆が集まりました。
家を継ぐ子を家督継承者として一人決めるのがこの時代の習わしであるため、家督としての嫡子と、それ以外の庶子の問題は御家騒動に発展しかねない要素を持っていたことは確かで、前田家でも利家、利長、利常と三代までは非常に不安定な状況だったようです。
二代藩主利長の肖像
その弟の利政の肖像
利家と正室まつの男子は利長と利政の二人のみです。その子直之は唯一の直系男子として、前田土佐守家として前田家に仕え、現在まで存続しています。
こんな古文書をスラスラ読めるようになりたいですね!
第15回石川の歴史遺産セミナー「近世初期の前田家と能登」
今日は石川県立歴史博物館で開催された「近世初期の前田家と能登」に参加してきました。
「織豊政権の北国支配-本能寺の変から北国国分まで-」
最初は三重大学教授の藤田達生氏による講演でした。藤田氏は織豊期を専門に、織田氏や藤堂氏の著作が多く、本日も織田信長から羽柴秀吉に至る経緯の中で、公儀がどこにあったのか、北国の勢力や合戦もこの公儀とは無関係ではない、という話がありました。
信長は官位に興味はなかったとか、清洲会議で秀吉の世になったとか、小牧・長久手合戦では家康が勝ったとか、北条征伐で天下統一されたとか、よく聞く話は当時の公儀を考えれば全くのでたらめであるという説得力ある話でした。10年後には学校の教科書もまた変わっているかも?
「前田氏の領主支配と長氏」
2人目は金沢学院大学教授の見瀬和雄氏。能登鹿島半郡を領有することになった長氏の歴史を説明しました。聞き取りづらく眠くなる話し方になんとか最後まで我慢。
「能登武士団としての長氏家臣団」
午後になり、3人目は金沢城調査研究所副所長の木越隆三氏による講演。長氏は加賀前田家にあっては地元採用組であり、加賀八家の一家でもあったのだけど、領有していた鹿島半郡は三代利常が始めた改作法の例外とされていたこと、鹿島半郡は31000石に換算されていたけど実際は20000石ほどで応分以上の軍役を課されても在地領有にこだわったこと、など興味ある話が多くありました。
最後にパネルディスカッションが開かれ、藤田氏の持論披露会みたいになったものの、本能寺の変が起こった天正10年6月2日に上京したのは信長が将軍を受けに行ったことに間違いないということで、専門の学者の間でも公儀を無視した議論が交わされている現状に嘆いていました。今までドラマで描かれてきたイメージがひっくり返るのも意外に早いかも!
DVDコレクション「那谷寺・妙成寺」買いました
ディアゴスティーニ隔週刊DVDコレクション「日本の古寺・仏像」の39号として石川県の「那谷寺・妙成寺」が発売中です。
古寺の特集としては、京都や奈良がやはり中心となるのであまり興味はなかったのだけど、地元の那谷寺と妙成寺が紹介されているので購入しました。約30分のビデオはよくできていましたが、映像が荒い部分もあり少々残念。しかし、ほとんど映像化される機会もないので1790円という値段も納得。
紹介されることも少ないので地元にこんなにすばらしい建造物群が残っていることにもなかなか気がつきませんね。妙成寺の五重塔は北陸唯一の重要文化財の五重塔。最近はその姿の優美さから映画に登場することもありますよ。
このシリーズ、今後どこが紹介されるのか全くわかりません。お隣富山県の瑞龍寺が紹介されればまた購入することにします。
鳥越一向一揆歴史館 友の会研修
今年の鳥越一向一揆歴史館友の会のバスツアーは上越地方でした。梅雨入りで生憎の天候でしたが、見学時間は小降りの時間も多く良かったです。
最初の目的地は上越市埋蔵文化財センター
展示はなんと無料です!風林火山で使用されたセットの龍の絵も展示されていました。
武将隊と職員の方に見送られて次の目的地へ
春日山城の謙信公像前で記念撮影。
前のみやげ物屋で段ボールを利用した謙信人形を見つけたので購入してきました。
悪天候もあって城跡は断念して春日山神社でゆっくりと。
林泉寺では大降りになって、その間は宝物館へ
早めのホテルでの昼食。まだ準備できてなくて待っていました。
五智へ移動して三重塔の残る越後国分寺へ
境内に白山神社御旅所があり、
中に御輿が保管されていました。
国分寺には親鸞聖人が配流されて住んだ庵があったとされ、腰掛け石が残っています。
親鸞聖人の座像もありました。
ほど近くの海岸に親鸞聖人が上陸したという地として見学場所が設けられています。
ハマナスもきれいに咲いていました。
上越を離れ、糸魚川ジオパークミュージアムへ。
白山市は手取川ジオパークを売り出すこともあって、ジオパークの先鞭をつけた先進地である糸魚川を見学しました。
帰りのバス中で夕食の釜飯に舌鼓を打ちました。
前田土佐守家資料館 開館10周年記念講演会
前田土佐守家資料館が開館10周年を迎え、初代当主の母である芳春院(前田まつ)の書状が46点
特別展示されています。
通常は午前、午後の2回に分けて展示解説が行われるのだが、今回は1回のみの特別講演会でした。
富山高等専門学校の瀬戸薫氏による「芳春院まつの消息」というテーマで、長町会館で開催されました。
折り紙形式の消息の折り方から始まって、まつに関わるエピソードや一般敵に伝えられる話のウラ話など、消息の研究から得られた情報をもとに楽しく話が進みました。
講演会の後は、資料館で展示の中からいくつかを解説しました。ここでもウラ話がチラホラと。とてもディープな内容でしたよ。
ひとつショックだったのは、魚津市に伝わる有名な利長肖像画は、実は下関の赤間神宮に伝わる平資盛(平清盛の孫)の肖像画と同じだということ。後世に中納言であった利長を描いたにしては着ている服の色の身分が低いそうです。もっと黒っぽい色でないとおかしいそうです。
能登平家の郷を訪ねる IN 平清盛の旅
今年の大河は「平清盛」、県内にも平家ゆかりの地がいくつもあるので今日は奥能登を訪問しました。
平時忠の墓。中央の一番大きなものが時忠の墓と伝わっています。
平時忠って誰?県内にいてもこんなもんです。時忠は清盛の後妻に入った時子、大河ドラマでは深田恭子さんが熱演していますが、その弟になります。大河ドラマでは森田剛さんが演じています。
壇ノ浦の戦いに負けた後に能登に配流となりました。
時忠が住まいとしたのが、珠洲烏川の中流にあたる則貞の地でした。バス停「則貞」から谷間へ下りていきます。
入り口には案内板が立てられています。
さあ下りていきましょう。
しばらく下りると谷間の平坦地が広がり、その一角に墓石が並んでいます。
ここには初代時忠から十一代までの墓が並んでいるようです。
囲みの中には入れませんが、それほど大きな墓石ではありません。
が、ひっそりと並べられた墓は配流された家柄を遠慮していたかのようです。
墓所のまわりを探索すると、「木戸跡」という屋敷出入口の看板がありました。
さらに探すと、「鞍干し場跡」と「経塚跡」という看板がありました。
鞍干し場跡の上に時忠の歌碑が立てられています。
そこからの眺めはなんとも長閑ではないですか。
まわりの田んぼの中でうごめく黒の塊をたくさん発見!!
よく見ると大量のおたまじゃくし。田の中央あたりには30センチ大の黒い塊が・・・・いったい何万匹いるんだろう?
谷に下りる道のりを脇道に入ると、現代の墓石を見つけました。
「則貞本家の墓」
則貞家は時忠の五男時康の家で、この地に住んだようです。姉が蕨姫で、源義経の側室になった方です。
奥能登は平家の郷として観光誘致を進めています。則貞にも、
輪島曽々木にもモニュメントが建っています。
曽々木海岸の奇岩はみどころですが、今日は荒天で海も大荒れでした。
曽々木の時國家にやってきました。時國は時忠の六男で先の時康の弟になります。慶長11年(1606)に時国村の一部が越中土方領となって二重支配を受けるようになったそうです。
二軒並ぶ時国家を、以前は「上時国家」「下時国家」(海から遠い方が上)と呼ばれていましたが、近年「下時国家」は「時国家」と改名しました。
(バス停はまだ「下時国」でしたが)
上時国家が越中土方領、時國家が加賀前田領となりました。
入り口の立派な石垣に時代を感じます。
主屋は修復整備されなんとも立派です。
中を案内していただきました。土間に隣接する大広間です。
中央にある「大茶の間」。正面上に神棚、下の奥に仏壇という江戸期の神仏習合の形態が現代でも残されています。
国指定名勝庭園となっている庭には、能登キリシマツツジが赤い花を咲かせていました。
庭園の隅に安徳天皇社が建てられており、今年の大河ドラマを機に参詣道が整備されました。
平家の家紋の描かれた絵馬を買ってきました。
上時国家は小高い山の上に主屋を構えています。
入ろうと思いましたが、修復工事中のようだったので、終わった頃にまた訪ねることにしました。
近くには琵琶法師の銅像もありましたよ。珠洲の奥には時忠ゆかりの那須神社という場所もあるようで、まだまだ平家を訪ねる旅は続きそうです。
百万石菓子百工展2012
今年のGWも金沢城では「百万石菓子百工展」が開催されています。
昨年まで二の丸五十間長屋で開催されていた展示企画は、河北門二の門で開催されることになりました。
今年は全国から銘菓が集まっています。
出店会場も二の丸から三の丸になりました。この長い行列は来場者先着プレゼントです。自分はギリギリ間に合わなかった。
これがその「うめ丸くん饅頭」です!甘くておいしいよ!
(母がもらいました)
GW期間は重要文化財の建造物が公開されています。これは石川門二の門の二階
そして昭和の修復時に取り替えられた瓦類。
今日から新しいデジカメで撮りました。室内でもきれいに写っている!良かった。
そして三十間長屋の二階です。
ドウダンツツジは今・・・盛り?
有名な寺島蔵人邸庭園のドウダンツツジを見てきました。報道ではGWがちょうど真っ盛り・・・だったはずでしたが、
一部は確かに花盛りでした。
しかし、ここが半分しか咲いていませんでした。今年は天候不順で影響が出たようですね。
金沢市安江金箔工芸館で開催中の特別展「西出大三の截金」を見てきました。
「截金」(きりかね)とは、金銀箔を細い線や小さな三角、菱形などに切り抜いて器体に貼ることでさまざまな文様をあらわす技法です。仏画や仏像の装飾に用いられてきた截金は繊細優美な表現を可能とし、平安時代にもっとも発展したといわれますが、近世以降はわずかに伝承されるのみで、橋立出身の西出大三氏が現代に蘇らせました。
次に、徳田秋声記念館で開催中の特別展「横山家と秋声」を見てきました。
秋声の家は従来加賀八家の横山家の家臣でしたが、秋声が生まれる2年前に版籍奉還が行われたので秋声自身は主家への奉公の意識は薄かったようです。12歳年上の兄、順太郎は横山家の分家で「北陸の鉱山王」といわれた横山隆興氏のもとで、最終的に鉱山所長にまでなりましたが、そういう兄との関係に焦点を当てた展示です。
惣構跡の石垣沿いに咲く芝桜
浅野川沿いの菊桜
春を感じる金沢市内です。