出版社:洋泉社
発行日:2007年4月初版
ページ数:302P
著者:今谷明
定価:1,700円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「四国・阿波一国の支配者だった三好一族は、いかにして日本列島の中心地(畿内)の支配者へと登り詰めたか - 信長以前に京・畿内で活躍した三好長慶を初めとする一族は、統一政権の成立を遅らせた『あだ花』だったのか。長慶の父、元長が、堺に事実上の幕府(堺幕府)を成立させたことは意外と知られていない。その後、長慶が13代将軍の義輝と管領の細川晴元を京から追放し、畿内を含む8ヵ国を支配する。京・奈良・堺の三大先進地を中心に高度に発達した商工業圏を形成し、幕府、天皇・公家、宗教勢力との関係を調整するなど、事実上の『天下人』となる。武力では信長に敗れたものの、実は歴史の選択肢として三好一族の歩みはもうひとつの統一政権への可能性を秘めていたのではないか。歴史の通説を覆す名著の復刊。」
1985年新人物往来社より刊行された同書の新書版。サイズが小さくなって図など一部カットされているらしいのだが、原書はすでに絶版で古書でもかなり高価となっているので、手頃な値段で読めるようになったのは歓迎する。
[目次]
プロローグ
第一章 上洛以前
第二章 畿内進出
第三章 堺幕府、畿内を支配す
第四章 雌伏十七年
第五章 幕府との苦闘
第六章 八ヵ国の覇者
第七章 暗転
エピローグ