編集・発行:長野県文化財保護協会
発行日:1983年3月20日初版
ページ数:84P+図版34P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「本文は文献よりみた塩田城の歴史と発掘調査の所見からみた塩田城跡とに大きく二項目にわけ、この両面から本城館跡の全容をとらえようとしたものである。前者については早くから多くの先学によって研究されており、かなりの部分が明らかになっているが、後者についてはようやく緒についたところで、今後の調査研究にまつところが大きいといえる。本書の第二編は、昭和五〇年から五二年にかけて実施した三回の塩田城跡発掘調査記録を上田市教育委員会の了解を得て、多少の修正をしながらまとめたものである。この調査は、そのまとめでも述べているとおり広大な城館跡のほんの一部の調査にすぎないので、遺跡・遺構の全体を把握するに至らず、したがって結論的なことはひかえて今後の課題としたのである。」
書評:
塩田城の三年間の発掘調査を受けて、発掘調査の総まとめに塩田城の歴史を追加して一冊としている。これ以降発掘調査はされていないようなので、現状における調査のすべてと言えるであろう。
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[目次]
第一編 塩田城の歴史
一 信州の鎌倉と塩田城
二 鎌倉北条氏と塩田
三 北条義政の信濃入り
四 義政の信濃に入った理由
五 塩田の歴史的環境
六 鎌倉初期における塩田
七 信濃守護所と塩田城
八 鎌倉期の塩田北条氏
九 鎌倉末期の塩田北条氏
十 南北期時代の塩田地方
十一 室町時代の塩田地方と塩田城
十二 武田氏の侵攻と塩田城
十三 塩田城とその後
第二編 塩田城跡の発掘調査
第一章 環境
第一節 地理的環境
第二節 歴史的環境
第二章 発掘調査
第一節 調査に至る経過
第二節 調査会・調査団の構成
第三章 遺構
第一節 地形
第二節 遺構
第四章 出土遺物
第一節 土師質土器
第二節 須恵質土器
第三節 陶器
第四節 磁器
第五節 木製品
第六節 金属製品
第七節 石製品
第八節 土製品
第五章 まとめ
一 第一次調査について
二 第二次調査について
三 第三次調査について