出版社:講談社
発行日:2003年10月初版
ページ数:200P
著者:藤田達生
定価:700円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「真の黒幕は誰か?-天下統一を目前にした信長の死に利害関係をもつと思われる人物は光秀以外にもたくさんいる。ざっと見ても中国の毛利氏、北国の上杉氏、四国の長宗我部氏、大坂から紀伊に下った本願寺、京の朝廷、そして信長に追放された将軍・足利義昭。彼らは皆、信長の軍事力と政略に圧迫され、存亡の危機にあった。誰もが信長を倒すもっともな理由があり、本能寺の変を企ててもおかしくはない情況だったのである。では、変を企てた首謀者とは誰か?」
本能寺の変の黒幕に関する書籍は多く出ている。本書もそのひとつ。断言はしていないが、筆者は足利義昭が中心的役割を果たしたというスタンスである。前後の情況を古文書などを史料にして丁寧に紐解いている。現在のカバー写真が違うのはどこかで変更されたようだ。本サイトの写真は初版のものです。
[目次]
はじめに
プロローグ
1 「本能寺の変」を企てたのは誰か?
2 戦国時代
第一章 明智光秀が背いた原因は何か?
1 足利義昭 -将軍を目指す
2 明智光秀 -栄達から危機へ
3 織田信長 -「国王にして内裏」
4 政変への道
第二章 画策する足利義昭
1 「西国公方」義昭
2 政変迫る
3 政変断行
第三章 「秀吉神話」を解く
1 備中高松城の水攻め
2 「奇跡の中国大返し」
3 山崎の戦い
4 信長を継ぐ者は誰か
エピローグ