佐貫荘と戦国の館林 館林市史 資料編2中世

佐貫荘と戦国の館林 館林市史 資料編2中世
発行:館林市
編集:館林市史編さん委員会
発行日:2007年3月初版
ページ数:580P
定価:3,000円(5%税込) 限定600部
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は、館林地域の平安時代末から戦国時代までの史料を集め、それを編年体で配列した資料集です。これまで、自治体が編さんする歴史資料集は、専ら研究者が利用することを前提に制作されていましたが、本書は一般の方々にも興味をもっていただけるように、様々なガイドを設けてなるべくわかりやすい部分を増やすよう工夫しました。各巻の冒頭に、館林地域を代表する資料を『テーマ別資料』として、カラー版にして数点並べ、読み下しやコメントを丹念につけ、理解しやすいものにし、この部分だけ通してみれば地域の歴史の概略がわかるようにしました。」
平成13年度から始まった新館林市史の資料編第2巻である。一般的な市史よりも大きいサイズであり、紙製カバーのみの簡易装丁である。単なる資料の羅列になりがちな市史資料編を、各テーマごとにカラーで数点の資料を解説するページを設けて、通史編要素を取り入れているのが好感を持てる。館林を含む上野の地は戦国時代、上杉氏・北条氏・武田氏の抗争の地であり、関連文献も多数収録されている。おそらくフルカラーになるであろう特別編「石造物(城館・中近世考古資料)」と合わせて利用すると地域研究も進むと思われるので、刊行が楽しみである。
購入方法は以下のホームページで確認できます。
館林市史刊行案内ホームページ
*現在絶版(2009年1月24日)


[目次]
第一章 佐貫一族の時代 平安末期~南北朝期
概説
テーマ別資料
1 鎌倉幕府御家人佐貫広綱の台頭
2 西国に進出した佐貫氏
3 佐貫荘に進出した法曹官僚たち
4 かつて足利荘内だった木戸郷
5 親鸞と佐貫荘
6 佐貫荘の地蔵信仰
7 佐貫荘青柳住人「きんあミふた」夫妻と交流する人々
資料編
第二章 赤井氏の時代 室町期~戦国前期
概説
テーマ別資料
1 滝沢不動明王と佐貫荘
2 青柳綱政の所領切り売り
3 舞木氏の台頭
4 羽継原の合戦
5 佐貫合戦1 「立林」の登場
6 佐貫合戦2 上杉氏による館林城攻撃
7 佐貫合戦3 中世館林城の景観
8 茂林寺の興隆
9 地頭赤井殿と伊勢神宮
10 佐貫荘の熊野信仰
資料編
第三章 長尾氏の時代 戦国後期
概説
テーマ別資料
1 赤井氏の退去と長尾景長の館林入部
2 長尾氏による雷電神社の造営
3 渡良瀬川と用水 戦国時代の生命線
4 白鳥を贈る人びと
5 ひろがる地域
6 主従と親子のシンボリズム
資料編
第四章 北条氏の時代 戦国の終焉
概説
テーマ別資料
1 越河の仕置
2 戦国時代の村の安全保障
3 北条氏の入部
4 由良・長尾兄弟と母妙院尼
5 泰平の世へ 榊原康政の館林入封
資料編
第五章 中世の記憶 後世の記録に描かれた中世
概説
テーマ別資料
1 江戸時代資料から伝承を追う1 青山氏と大袋城
2 江戸時代資料から伝承を追う2 小林氏と大谷休泊
資料編
1 由緒書・分限帳・系譜類
2 寺社縁起類
3 軍記物類
4 館林城をめぐる記録類
特集 冨岡文書の世界 -邑楽郡内の中世文書-
概説
資料編