出版社:歴研
発行日:2005年7月初版
ページ数:46P
著者:浅野清
定価:800円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「天正3年の成政越中赴任」「比良城跡を愛知県指定史跡」、佐々成政出自、便乗本や「武功夜話」の表現など、佐々成政資料に見られる誤記や疑義を検証する。
「佐々成政関係資料集成」の著者でもある浅野氏が佐々成政に関する様々な通説に疑義を呈する書。
薄い本ながら武将研究の盲点を考えさせられる本である。
[目次]
序章 佐々成政の生涯
1 佐々成政の出自
2 尾張の佐々成政
3 信長の武将
4 越中守護、織田信雄に協力
5 ざら越えの快挙
6 秀吉の越中征伐
7 肥後失政と自害・辞世歌
第一章 間違っている成政の「天正三年越中赴任」との誤記
1 天正三年成政越中へと誤記している主な資料との出会い
2 「天正三年八月成政、越中赴任」と誤記している資料
3 正解として「信長公記」等を確認しておこう
第二章 佐々成政城跡である「比良城跡」[名古屋市西区]に関する誤記
1 比良城跡は、現在光通寺の境内である。ここは県の指定史跡ではない
2 比良城の廃城は天正三年ではなく十二年以降である
第三章 疑義の多い「佐々成政のすべて」
第四章 その他の疑義
1 佐々成政祖先の出自
2 「武功夜話」の疑問点
3 「日本史文献解題辞典」[吉川弘文館] 「福智院文書」に若干の疑義と要望
第五章 参考になる重要資料
1 佐々成政関係資料集成
2 「福智院家文書」の中の佐々成政記述
3 成政関係辞世歌関連文献
4 成政の死を悼む後陽成天皇御製