出版社:吉川弘文館
発行日:2007年10月初版
ページ数:193P
著者:江後迪子
定価:1,700円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「織田信長が、安土城で徳川家康をもてなしたメニュー、権力者が贈りあった高級食品・・・。日本料理の基礎は、中世に生まれた。失われた幻の食材から、身近な食べ物まで、現代人もおどろく中世の豊かな食文化をほりおこす。」
本の題「信長のおもてなし」にまず興味を持った。信長が家康をもてなしたときと言えば、鮒寿司の臭いに信長が饗応役の明智光秀を罵倒するシーンとして必ず演じられるときではないか。当時のご馳走は現代とは違って当然であり、実際にどんなものが出たのか、誰しも興味のあるところであろう。本書は、この信長の話がメインであるわけではなく、中世の食べ物とはどんなものであったかを紐解くものである。
[目次]
中世の食事と食品 - プロローグ
天下人のおもてなし
足利時代の御成
安土城の献立
信長・秀吉の茶会
贈答された高級食品
将軍への献上儀礼
守護大名の贈答品
石山本願寺の贈答品
中世の食文化を探る
往来物にみる食べ物
魚類
貝類
そのほかの海産物
魚の加工品
獣鳥類
野菜
果物
菓子と香辛料
料理の普及と年中行事
中世の料理と食品の流通
年中行事と食事
日本料理の誕生 - エピローグ