発行・編集:加賀市教育委員会
発行日:1995年3月初版
ページ数:28P+図版8P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「城跡が存在する総面積は、35万平方メートルに及ぶ広大なもので、発掘初年度に当たる平成5年度においては、約11万平方メートルの調査を行い、昨年3月”加賀熊坂城跡”の報告書を発行いたしました。次いで発掘第2年次に当たる本年度は、平成6年5月から11月にかけて、熊坂口之城跡および熊坂黒谷城跡を中心に、約4万4千平方メートルの調査を実施しました。この結果について、この報告書を発行する運びとなったわけであり、内容の遺構状況によりご理解いただけると思いますが、期待されていたような城郭であるという裏付けなされるほどのものでなかったようであります。調査に基づく専門家の意見を総合しますと、現在のところ、この遺跡は、一向一揆の農民たちが築いた一時的な駐屯地的陣跡と見るのが適当であると言われており、堅固な城として作られたものではないようであります。」
2冊目になる本書では実際にコースとして破壊の可能性のある場所を中心に発掘調査された結果を収録している。
[目次]
第1章 遺跡の位置と環境
1.遺跡の位置
2.遺跡周辺の地質
第2章 調査の概要
1.調査の方法
2.調査の経過
第3章 検出された遺構と遺物
1.熊坂口之城跡
2.熊坂黒谷(奥)城跡
第4章 熊坂黒谷城跡・焼土遺構の考古学地磁気測定
第5章 まとめ
写真図版