金澤城址案内

金澤城址案内
発行・編集:金沢大学
発行日:1951年11月初版
ページ数:32P
定価:不明
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「加越能百万石の藩政の本拠として三百年、廃藩後第九師団の軍事基地として八十年間、一般人に対してオフ、リミットであった金沢城も、終戦とともに開放せられ、市民リクリエーションのセンターにしてはどうかの意見もあったが、結局、金沢大学のカンバスとして文化国家建設の脚光を浴びるに到ったことは、それが城であるだけに、封建的武力的旧日本から民主的文化的新日本への転換を如実に表示している点で、誠に意義深いものがあると思われる。武装を脱いだ金沢城はその旧建物、石垣、堀すべてに歴史があり伝説がまつわっている。それらについて一通りの認識を持つことは、史蹟保存の意味で重要なことと思われるので、金沢城址の案内記を本学図書館員高橋喜一氏に委嘱してこのパンフレットを編纂せしめたのである。」
金沢城跡が金沢大学のキャンバスとして使用されるようになってから、学内の職員や学生に対しての啓蒙を目的として編集されたようである。当時発行されていた文献を参考にまとめたもので、目新しいものはないが、各所において簡潔に説明されている。本文の3分の1を金沢城の設計者とされる高山右近伝に当てているのは、初代藩主前田利家を解説する一般的構成とは違い面白い。


[目次]
一.石川門
二.石垣
三.堀
四.高石垣
五.金沢城の軍事的価値
六.三の丸
七.本丸
八.縄張り
九.極楽橋
十.二の丸、玉泉院丸
十一.甚右エ門坂
十二.薪丸
附 高山右近