出版社:新潮出版
発行日:2007年5月初版
ページ数:217P
著者:小和田哲男
定価:1,100円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「日本史を、城をめぐる合戦によって俯瞰してみようとしたのが本書である。日本の城の歴史を概観した本はすでに何冊もあり、また、合戦の歴史そのものを扱った本も結構でている。しかし、その二つをドッキングさせた試みはこれまであまりなかったように思う。城をめぐる戦いということになると、攻城戦・籠城戦が多くなる戦国時代からが中心となるが、戦国時代だけでなく、幕末・明治維新期にかけての戦いも取りあげている。名城と合戦を通して、日本史の流れをつかむことができるよう、できるだけ、年代順に配列した。」
本書は、「週刊名城をゆく」(2004年2月10日号~2005年2月8日号・小学館)の連載「戦略検証」に大幅な加筆を施し、新たに編集したものです。一つの章は4~5ページに簡潔にまとめられているので、興味あるところから読むことも、年代順にページを追って読むこともできます。城を合戦と結びつけて描く著者の読みは面白く、サクサクと読めます。
[目次]
琉球王国統一戦争
金沢御坊の戦い
有田合戦と銀山城の戦い
北条氏綱、江戸城を奪う
那古屋城乗っ取りの真実
籠城側が勝った月山富田城の戦い
二度にわたる来島城の攻防戦
謎の多い河越夜戦
林城・平瀬城の戦い
桶狭間の戦いと信長方城砦
土佐統一の分水嶺 長浜表の戦い
郡山城を守りぬいた筒井順慶
宇喜多直家の戦国大名化
伊勢長島一向一揆と信長
姉川の戦いから小谷城攻めへ
備中松山城と天正兵乱
三方ヶ原の戦いち浜松城
地蔵嶽城の戦い
「中国大返し」と姫路城
御館の乱と春日山城
鳥取城籠城戦と吉川経家
織田信忠の高遠城攻め
本能寺の変と安土城
虎丸城・引田表の戦い
賤ヶ岳から北庄城へ
小牧・長久手の戦いと陣城
太田城の水攻め
羽柴秀吉の四国攻め
戸次川の戦いと鶴賀城
秀吉の九州攻めと北九州の城
肥後国衆一揆と佐々成政
湊騒動の顛末
小田原3か月の籠城戦
葛西・大崎一揆と佐沼城
佐竹氏の水戸城奪取
城兵皆殺しにあった九戸城
文禄・慶長の役と名護屋城
古今伝授に守られた田辺城
慶長5年の上田城の戦い
幻の大垣城籠城戦
岐阜城最後の戦い
小早川秀秋の佐和山城攻め
長谷堂城の戦い
大坂冬の陣 真田丸の攻防戦
島津の乱と原城
萩城から山口屋形へ
二条城と鳥羽・伏見の戦い
奥羽越列藩同盟と会津戦争
箱根戦争と五稜郭
西南戦争の最後 城山の戦い