出版社:実業之日本社
発行日:2005年7月初版
ページ数:245P
著者:本多静六
定価:1,000円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
近代日本において、企業家として財をなした人や、親の代からの資産を守り育てていった人はたくさんいます。しかし、本書の著者である本多静六(1866-1952)のように、貧農に生まれ、苦学して東大教授にまで出世しながら、その一方で蓄財と投資に励み、ついには途方もない財産を築くことに成功した人は、決して多くはないでしょう。しかも、その著書を通じて、お金に対する考え方や蓄財の方法、成功するための人生哲学について真正面から説き、後世まで影響を与え続けた存在となると、本多博士をおいてほかにありません。
本書は、本多静六が最晩年に書いた三部作の大団円をなすもので、経済的にも社会的にも豊かに生きてきた人生の大先輩が、少年期から楽老期に至るまでの過ごし方の秘訣を、次代へ伝えるためにまとめたものです。すでに半世紀以上を経たとはいえ、その深い内容はいまなお光を失っていません。とりわけ、高齢化社会を予見したかのような、長いスパンでの人生計画の勧めは、本多哲学の真骨頂といえましょう。本多博士をかねてから高く評価していた、本田健氏による書き下ろしの解説も必読です。
[目次]
人生計画の立て方
一.人生にはナゼ計画が必要か
二.私の第一次「人生計画」
三.理想はさらに理想を生む
四.私の第二次「人生計画」
人生計画の立て方・進め方
一.実際に即した立案と実行
二.計画実現に望ましい生活態度
三.学校の選び方と進み方
四.自信を植え付ける法
五.職業はどう選ぶか
六.教練期から勤労期へ
我等いかに生くべきか
一.生活安定への道
二.結婚はどうしたらよいか
三.世のため人のために尽くす法
四.老後に考えねばならぬこと
五.楽老期をどう過ごすか
解説 本田健