出版社:野島出版
発行日:1998年3月初版
ページ数:301P
著者:大家健
定価:6,000円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「上杉氏の会津移封には、豊臣政権から、検地により登録された農民はその地にとどめ置かねばならないと命ぜられていたにもかかわらず、上杉氏とともに多数の農民が会津に移動し、耕作者のいない田畑が各地に出現した。後から入ってきた堀氏は命令違反であると訴えているが、これはまだ兵農分離が進んでいなかった証しであり、反面、会津移封によって越後国の中世が終わり、今の越後国の人々の新しい歴史が始まったことを意味する。この越後国の中世末はどのようであったかを、当時の人々の生活の拠り所であり、保存状態も良い城跡を中心に、少ない資料で再現してみたのが本書である。」
今に残る城跡から中世の歴史を紐解こうとしている。多くの縄張り図や写真が掲載されている。
[目次]
16世紀の越後
16世紀の石高と人口
上杉家臣団の配置
上杉氏と長尾氏
村上義清と山浦上杉氏
本庄繁長とその城
越後の三浦和田氏
越後の佐々木氏
安田大見氏と水原大見氏
直江氏と与板城
北條毛利氏と安田毛利氏
蒲原の番城
弥彦山麓の城
中郡の番城
府内唯一土豪の柿崎城館
越後北端の大川城
関東への道と城
信州川中島への拠点新井堀之内堀
津川城と藤田能登守