発行日:2002年7月初版
ページ数:98P
編者:戦乱の空間編集会
定価:1,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「近世城郭の世界から、まだまだ探検的な領域にあった中世城郭の世界に、光をあてた調査・研究活動の流れが感じ取れる時代が来たかなと思っていたが、世の潮流は一転して、倭城の研究に始まり、バブル期のお城復興ブームの到来で、今日の中世城郭研究は、またもや近世城郭の影となり、またまた肩身の狭い隘路に入ろうとしている。しかし、中世城郭の調査・研究の世界を、さらに『一歩』進めていくと、城郭の占地(景観)と地域の歴史との関連、その複合的な組み合わせの中に、城郭研究があり、その城郭をも含めた広範囲な地域研究も欠かせない、必要条件となりつつある。・・・・城郭遺構以外の軍事的遺構の存在を、『戦乱期の景観』の中へ、どのように描き込むかが課題でもある。それらの『構築物』が出現した時期の景観の中に、的確に描き込むことにより、『構築物』が輝いたその『一瞬』を表現していきたいと考えている。」
城郭を単独で捉えるだけではなく、歴史背景や地理的ルートの中での存在意義を考察する、戦乱の空間の創刊号。販売価格がホームページでは1,500円となっているが、1,000円で購入できました。
戦乱の空間ホームページ
[目次]
創刊のご挨拶
讃岐における織豊期初頭の国境封鎖と軍事遺構
岡山の城郭研究者、永遠の”城郭少年”光畑克己さんを悼む
光畑克己さん遺作「鍛冶屋山城の縄張り図」について
-毛利の陣城と宇喜多の陣城と秀吉の陣城の複合遺構-
山吹城と石見銀山
道前平野北部の中世城郭について
-伊予入封後の小早川隆景の城郭政策の一端について-
伊予松山城の縄張り構造と大名権力
永納山城に関する一考察