発行元:城郭談話会
発行日:2001年11月初版
ページ数:394P+図版23P+図1枚
編者:角田誠、谷本進
定価:2,500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「私たちが本書『大和高取城』を発刊し、高取城の調査・研究に取り組んだ理由を述べておきたいと思います。高取城は近世の山城としては最大規模の城郭です。もっとも、近世以前にも中世高取城が存在しましたが、その実態は解明されていません。また、最大規模と言いますが、一体その遺構がどこ範囲にまで広がっているのかという点も明らかにされていません。高取城の先行研究としては『高取町史』等優れたものがありますが、史料的な制約もあって現在みられる姿の高取城が何時完成したのかも諸説あって一致をみません。何故このような問題が、これまでもっと検討されてこなかったのでしょうか。色々な理由が考えられますが、高取城の規模が非常に大きく、その全貌を把握することが難しかったことが最も大きな理由ではないでしょうか。関西の中・近世城郭の縄張り調査が進んでいる中で、高取城のみが取り残されてきたような気もします。関西を中心に城郭研究を進める私たち城郭談話会のメンバーにとって、高取城の調査・研究は、何時かは手をつけなればならないものという共通認識を持っていました。」
城郭談話会の個別城郭研究論集の5冊目。大和高取城を多角的に考察した論文が並ぶ。
事務局である角田様宅にハガキで残部を確認できます。購入申込みも同様に。
〒664-0846 兵庫県伊丹市伊丹 3-8-5 角田誠方
[目次]
高取城略史とその研究史
大和高取城に関する文献史学的研究
高取城縄張りについて
「城内」外部のいわゆる土造りの曲輪について
高取城絵図成立と城郭構造の変遷
高取城における「虎口空間」といわれるものについて
高取城の備え
高取城之建築と残存遺構
高取城天守模型の製作過程における疑問点とその対応
高取城の火薬櫓
大和高取城の瓦について
大和高取城の石垣
高取城天守曲輪石垣における転用石の使用状況について
高取城之石垣符号について
高取城之石垣符号について
高取城周辺の石造物・石碑などについて
高取城下の町並み構成と建築意匠
高取城関係史料翻刻
奈良県下の城館発掘調査事例
郡山城および城下の発掘調査について
大和国における越智氏勢力の城館構成
高取城の城域