編集:文部科学省構内遺跡調査会
発行:国土交通省、文部科学省
発行日:2004年3月12日
ページ数:カラー図版2P+149P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「今回発掘調査をしました文部科学省の敷地は、江戸時代には旗本屋敷や日向延岡藩内藤家上屋敷の一部にあたり、国史跡に指定されている江戸城外堀跡の至近に位置しています。発掘調査では、江戸時代のごく初期に棟が位置周辺を屋敷地として開発した痕跡や、屋敷と外堀沿いの道路とを画する下水溝などの遺構が発見されました。
特に本遺跡周辺の外堀石垣は、江戸城外堀普請としては最後の寛永13年(1636)の普請により完成したものですが、発見された下水溝は、この普請以前に廃絶したものであるにもかかわらず、外堀に平行するものであり、寛永13年以前に堀の位置が既に確定していたことを示すと考えられるなど、都市江戸の開発と江戸城普請の計画性を考えるうえでたいへん意義深い発見であると思います。」
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[目次]
第1章 発掘調査に至る経緯・調査経過
第1節 調査に至る経緯
第2節 調査経過
第3節 調査目的と調査方法
第2章 確認調査の概要
第1節 各トレンチの概要
1.江戸城外堀跡
2.内藤家上屋敷跡での調査概要
第2節 確認調査成果と本格発掘調査の範囲
1.内藤家上屋敷跡について
2.江戸城外堀に関連する遺構
第3章 遺跡周辺の環境
第1節 地理的環境
第2節 歴史的環境
第4章 基本層序
第1節 基本層序
第2節 盛土の層序
第5章 近世以前の調査
第1節 調査の概要
第2節 出土遺物
第6章 近世以降の調査
第1節 近世の遺構と時期区分
第2節 Ⅰ期の遺構
第3節 Ⅱ期の遺構
第4節 Ⅲ期の遺構
第5節 Ⅳ期の遺構
第6節 近代の遺構
第7章 出土遺物
第1節 近世の遺構出土遺物
第2節 近代の遺構出土遺物
第8章 自然科学分析
第1節 ローム堆積物の鉱物分析
第2節 文部科学省構内遺跡出土木材の樹種同定
第3節 文部科学省構内遺跡の珪藻化石群集
第4節 文部科学省構内遺跡の花粉化石
第9章 史料にみる遺跡の変遷
第1節 文部科学省構内遺跡地拝領者内藤家と虎御門周辺の環境
第2節 宝永元年江戸城外堀修復普請時の請負形態 櫓台破却事例を通じて
第10章 文部科学省構内遺跡の変遷