出版社:郷土出版社
発行日:1995年3月初版
ページ数:206P
責任編集:浅川清栄
定価:10,680円+税
オススメ度:★★★★☆
「諏訪を代表する城というと高島城が有名ですが、そのほかに多数の山城があります。私たちが城の典型として思い出すのは、高島城のような石垣のうえに天守閣がそびえる城ですが、石垣も天守閣もない山城も城です。ここでは高島城ができる以前、中世を中心とした山城について、全体的な研究の現状と課題を確認し、諏訪地方ではいつごろ山城が作られたり修復されたりし、それは政治史的にどのような意味を持つのかを述べていきます。」
書評:
本書は中世の諏訪地方の歴史を概観しながら高島城、高島藩による統治時代に至る郷土史の集大成を言える書です。城を中心とした本であることは確かですが、地方史・郷土史的記事も多く、諏訪地方を研究する人は興味深く読むことができます。
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[目次]
第1章 城にみる諏訪の戦国時代
はじめに
一、山城研究の現状と課題
二、諏訪の山城築城の画期
おわりに
第2章 高島藩の成立と近世の歩み
織豊時代の諏訪
江戸初期の諏訪
江戸前期の諏訪
江戸中期の諏訪
江戸後期の諏訪
江戸末期の諏訪
第3章 高島城の歴史と構造
高島城の建設
高島城の構造
高島城の本丸
第4章 城下町の構造と変遷
城下町の成立と発展
城下町の道路
城下町の河川と用水
城下町の史蹟
第5章 諏訪地方の諸城
総論 諏訪地方の中世城郭
諏訪地方の諸城の分布
諏訪地方の諸城一覧
岡谷市
小坂城 花岡城 峯畑城 高尾山城 岡谷城
下諏訪町
高木城 霞城 桜城 山吹城 上の城・下の城
諏訪市
武居城 荒城 大熊城 南真志野城 北真志野城 有賀城
金子城 高島城 桑原城 茶臼山城 天神山城 大和城
茅野市
シラザレ城 御天城 駒形城 干沢城 上原城 齢松山城
鬼場城 埴原田城 粟沢城 古田城 朝倉山城 桝形城 槻木城
富士見町
先達城 蔦木城 登矢ヶ峰城 伏屋長者館
第6章 諏訪の城をめぐる歴史秘話
二之丸騒動をめぐる女性たち
高島城南之丸に夢を埋めた人びと
高島城の石垣が語るものは
天守石垣大修理の顛末
高島城下町における俳諧の流れ
山城を発掘と伝説から探る
中央道の下に消えた小坂城の発掘
諏訪大祝家のもとに栄えた干沢城下町の発掘
戦国時代の民衆と城・戦 「神長官守矢満実書留」にみる
諏訪の城郭史年表
用語解説