編集:富山市教育委員会
発行:富山市教育委員会
発行日:2006年12月25日
ページ数:160P+図版55P+CD-ROM1枚
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「神通川縁に築かれた富山城とその城下町は、戦国時代以来越中の中心地として佐々成政や加賀前田氏が整備し、富山藩が継承して県都の礎となってきた遺跡であります。このたび、総曲輪通り南地区市街地再開発事業に伴い、富山城下町の中心部における発掘調査を実施しましたところ、江戸時代初期から幕末までの富山藩家臣屋敷や町屋に関わる各種の遺構を確認しました。特に武家屋敷の遺構は、複数の城下町絵図に描かれた地割とよく一致し、また実在した家臣名を記した木札が出土するなど、武家屋敷の変遷が歴史資料の記すとおりに把握されたことは、富山藩や城下町の歴史を明らかにする上で、たいへん貴重な学術的成果といえます。」
[目次]
第Ⅰ章 遺跡の位置と環境
第1節 地理的環境
第2節 周辺の遺跡と歴史的環境
第Ⅱ章 調査の経緯
第1節 調査に至る経緯
第2節 調査経過
第3節 調査日誌抄
第Ⅲ章 調査の概要
第Ⅳ章 遺構
第1節 調査区の概要
第2節 遺構
第Ⅴ章 遺物
第Ⅵ章 自然科学分析
第Ⅶ章 総括
第1節 遺跡の構造と性格
第2節 絵図からみた調査区
第3節 板絵の内容について
第4節 主要遺構から出土した下駄の形態分類
第5節 主要遺構から出土した陶磁器の組成
第6節 主要遺構から出土した越中瀬戸皿の形態分類
第7節 富山城下町遺跡調査の意義