編集・発行:厳原町教育委員会
発行日:1995年3月31日
ページ数:55P+図版18P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「桟原城は、延宝6年(1678年)から18年の歳月をかけて造営され、以後200年間にわたり対馬藩主「宗」家の居城となりました。この間に、対馬藩から一衣帯水の朝鮮国からの善隣友好使節団「朝鮮通信使」が何度も訪れ、対馬藩近世史の上で最も栄華を誇った時期の遺跡であります。また、当遺跡は明治以後、旧陸軍、米軍が進駐し現在陸上自衛隊が駐屯しており、当時の石垣を残すのみであります。今回の調査は、戦前の軍事上の重要な地点のため、発掘調査等がされておらず、初めての調査で、対馬藩近世史を知る上で重要な遺跡です。」
書評:
トレンチ調査範囲が狭いので全貌解明には至っていませんが、対馬藩の中心的な城跡の調査となりますので貴重な一歩といえるのではないでしょうか。遺構としては残存している石垣の傍から側溝跡が見つかっています。
[目次]
序章
1.桟原城の概要
2.調査に至る経緯
3.周辺の地理的・歴史的環境
Ⅰ章 桟原城周辺の歴史
1.対馬の歴史概観
2.宗氏21代、義真の治世について
3.桟原城の配置
Ⅱ章 調査
1.調査経過と概要
Ⅲ章 遺構
Ⅳ章 出土遺物
1.下層出土の陶磁器
2.近世陶磁器
3.遺構、その他の出土遺物
4.瓦
Ⅴ章 総括
Ⅵ章 まとめ