著者:久保尚文
発行:桂書房
発行日:1983年10月初版、2007年9月第6刷
ページ数:181P
定価:800円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「伏木古国府に勝興寺を訪れる時、さながら城郭のごとき寺観に驚きを禁じえない・そうした今日の寺観は、越中一向一揆の中核寺院として戦国時代を生きのびてきた同寺の歴史そのものを端的に示しているかのように思われがちである。だが、周知のように勝興寺が古国府に寺地を与えられて移ってきたのは、天正十二年以後のことである。したがって今日の勝興寺から中世における同寺の姿をうかがうことは、必ずしも正しいことではない。」
富山県の中世史の第一人者久保氏の著作。高岡勝興寺と越中一向一揆に関する論文で新書らしくないが、内容も濃く興味ある方には面白いだろう。郷土の歴史を知るのもいいことですよ。
[目次]
(一) はじめに
(二) 由緒書の検討
(三) 瑞泉寺の歴史的性格
(四) 勝如尼と兼帯三ヶ寺
(五) 文明十三年一向一揆
(六) 「闘争記」における本泉寺
(七) 土山坊蓮誓の立場
(八) 高木場坊の発展原理
(九) 安養寺移転
(十) 大小一揆と勝興寺
(十一) 勝興寺の発展
(十二) 越中一向一揆の形成
(十三) 安養寺焼亡
(十四) おわりに
補遺(一) 越中の一向一揆について
補遺(二) 文明十三年越中一向一揆問題の再検討
資料 闘争記
補遺(三) 越中石黒氏について