秀吉 越中出陣 - 「佐々攻め」と富山城 富山市郷土博物館リニューアル開館5周年記念特別展

秀吉 越中出陣 - 「佐々攻め」と富山城 富山市郷土博物館リニューアル開館5周年記念特別展 秀吉 越中出陣 - 「佐々攻め」と富山城 富山市郷土博物館リニューアル開館5周年記念特別展
編集・発行:富山市郷土博物館
発行日:2010年9月11日
ページ数:60P
定価:800円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「豊臣秀吉は、関白に任官して間もない天正13年8月、世にいう「佐々攻め」を行いました。この出陣は、小牧・長久手の戦い以来敵対する、富山城主佐々成政を討つためのものでした。しかし、それだけが出陣の目的ではなかったのです。まず秀吉は、一度は主君として仰いだ織田信雄を「佐々成政」の総大将に命じることで、自らと信雄の序列を天下に示したことが挙げられます。また、上杉景勝との会見を企図することで、小田原北条氏と徳川氏を見据えた連携強化を狙うなど、この出陣には、秀吉の政治戦略が多分に見出されるのです。したがって、「佐々攻め」という呼び方は、出陣目的の一側面しか表していないといえるでしょう。本展では、総勢七万人にも及ぶ大軍を動員して断行した、関白秀吉越中出陣の様相を、諸資料からたどりながら紹介するとともに、天下統一戦争における富山城の歴史的位置について明らかにしたいと思います。」
本書は、平成22年9月11日から11月14日まで開催された特別展の展示図録です。
富山市郷土博物館 出版物ページ


[目次]
特別寄稿 関白秀吉の越中出陣 -北国国分の歴史的意義-
序章 秀吉と成政 -織田信雄の天下をめぐる相克-
第一章 迫り来る佐々攻め -秀吉の軍事構想-
第二章 関白秀吉越中出陣成 -成政降参と富山入城-
第三章 幻の秀吉・景勝会見 -富山城破却の背景-
終章 秀吉出陣がもたらしたもの -前田と上杉の転換点-
総論 「佐々攻め」を捉えなおす -天下人秀吉と富山城-