特別名勝兼六園(江戸町跡推定地)発掘調査報告 -附 本多家上屋敷跡試掘掘調査報告-

特別名勝兼六園(江戸町跡推定地)発掘調査報告 -附 本多家上屋敷跡試掘掘調査報告-
編集・発行:石川県立埋蔵文化財センター
発行日:1992年3月31日
ページ数:128P+図版49P+付図1枚
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「特別名勝兼六園の一角で発見された近世遺跡は、江戸町遺跡とも称され、珠姫の輿入れと深く関わるものと考えている。つまり、珠姫の輿入れに際しては、江戸から数百人ともいわれる家臣・従者が随行しており、輿入れ後も、金沢城近辺に居住の便を与えられている。徳川側にとっては、輿入れとはいえ一種の人質ともいえるものであり、いざという時に備え、ある程度の兵力を城外に確保したものであろうか。ともかく、珠姫輿入れとともに生まれた家臣・従者たちの居住地(屋敷跡)を、当時の金沢の人々は『江戸町』と呼んだとされ、その地点こそ石川門の前面、現在、茶店や土産物店が立ち並び、多くの観光客が行き交っている緩やかな坂道(桂坂~蓮池門跡間)沿いなのである。」


[目次]
第1章 調査に至る経緯と経過
第2章 金沢城と考古学的環境
第3章 検出遺構
第4章 第3遺構面出土遺物
第5章 遺物の分析・鑑定
第6章 まとめ
附篇 本多家上屋敷試掘調査報告