出版社:桂書房
発行日:2008年9月初版
ページ数:487P
著者:久保尚文
定価:5,600円+税5%
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「越中の個々の中世城館の成立について考える際に必要となる、越中での諸政治抗争の当事者、対立契機、局面。状況についての共通理解をもつために、中世全般にわたる地域政治史の特徴点を概観する。 」
富山県史を始め県内各市町村史の執筆などを担当した、富山県の中世史の第一人者である久保氏の論文集である。現在までに同氏が発表した論文を補完するものも多数あり、現在判明している富山県の中世史の到達点の一端を伺うことができる良書である。
[目次]
越中中世史の概説
第一編
一章 神通川流域 山野川湊の中世史
一節 中世の倉垣荘と近代村の倉垣
二節 南北朝・室町時代の武将と神通川下流域
三節 室町時代の浜街道
四節 戦国時代の浜街道
五節 戦国末期の西岩瀬地域
二章 柿倉比売神社祭祀圏と牛ケ首用水開削
三章 院政期堀江荘の成立・挫折・再興
四章 小出と臨済宗金剛寺
五章 越中国万松山(海陽山)崇聖寺
六章 中世越中の鋳物師について
第二編
七章 越中における武家支配体制の成立
八章 太田保における曹洞禅定着の意義
九章 細川管領家領越中国太田保をめぐる諸問題
十章 和田惟政関係文書について
十一章 越中の陣門流法華宗の歴史
十二章 中世越中土肥氏の展開
十三章 佐々成政の二度の東海訪問