発行:古河市
発行日:1985年3月30日
ページ数:74P+図版16P+折込付図2枚
編集:古河市史編さん委員会
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「古河はかつては近世の関東地方でも屈指の城郭を有する城下町でしたが、明治7年に城が取り壊され、さらに明治43年から昭和2年にかけて行なわれた渡良瀬川の大改修工事により、城郭の大半が河底に没っしてしまい、古河の人々と城との係わり合いはなくなり、同時にシンボルとしての意味も永久に失われてしまったのです。ところが、このたび市史編さん事業の一環として、近世の古河城址と中世の鴻巣館址の本格的な調査が行なわれ、きわめて精度の高い調査報告書が刊行されることになりました。」
書評:
古河公方の館跡および城跡の一部に関する調査報告書です。調査には日本城郭史学会も参加しています。城の本丸跡は川の改修工事で埋没してしまいましたが、残存部分については詳細な実測図もついています。
[amazonjs asin=”B000J6Q932″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”古河城・鴻巣館遺構調査・発掘調査報告書―県指定史跡古河公方館跡 (1985年) (古河市史資料〈第10集〉)”]
[目次]
Ⅰ 伝来諸絵図と古河城の構成
1 古河城の沿革
2 古河城の伝来絵図とその分類
3 伝来諸絵図とその年代比定
4 城郭の構造物とその管理
Ⅱ 古河城の廃城後の情況と残存遺構
1 古河城の廃城と消滅
2 渡良瀬川の改修
3 市街地内の残存遺構について
Ⅲ 渡良瀬川河原床の遺構調査
1 調査までの経緯
2 実測調査
3 河原床にみる旧古河城の濠址
Ⅳ 旧桜橋門脇土塁発掘調査
1 旧桜門脇土塁について
2 調査日誌
3 土塁遺構の状況 -遺構の性格
4 発掘調査にみる出土遺構
5 土塁薮下の中世期遺構
6 出土遺物とその考察
Ⅴ 古河公方館(鴻巣館)の調査
1 古河公方館と鴻巣館
2 鴻巣館の調査報告
むすびにかえて