発行:文化庁
発行日:1971年3月
ページ数:140P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「古くから越路を往還する人々にとって、山並のさらに遠くに輝く白山連峰の清浄な姿は、心の底を洗うような感動と崇敬の念を呼び起す対象だったに相違ない。そうした山嶽に対して開顕した文化を、われわれは白山信仰文化と呼んでいる。今回の調査も、これを中心として前回の美濃方面の調査につづく加賀方面の調査報告である。いうまでもなく白山信仰による文化は、美濃・加賀・越前の三馬場を中心に、発展推移してきたのであるが、中でも今回調査の加賀は、三馬場中地形的に白山に最も近く、参詣路にあたる手取川流域には、早くも平安時代以来白山七社などを形成し、ここに醸成された信仰勢力は、中央へも影響なしとはしなかった。」
現在世界遺産登録を目指している白山に関する文化財の総合調査(おそらく最初のもの)の報告書。岐阜県・石川県・福井県と3冊刊行されたが、本書では加賀地域の文化財調査をまとめている。本文はガリ版で手書きのまま複写印刷されています。非常に貴重な書籍ですが、偶然古書として入手しました。
[目次]
はじめに
図版
調査の経過
彫刻
概要
白峰村林西寺の白山諸像
白峰村八坂神社の十二神将像
尾添白山神社の諸像
白山比咩神社の遺品
その他の彫刻
工芸
概要
石動山関係
白山比咩神社関係
尾添白山神社関係
白峰村関係
その他
絵画
概要
書跡
概要
石動山古絵図
版本如意虚空蔵経
版本大般若経
行人札
白山境争論裁許状並裁定絵図
木額
版本大谷中興上人伝、同版木
白山比咩神社文書
白山禅頂
白山・石動山関係文化財年表