発行:砺波市教育委員会、砺波郷土資料館
発行日:1991年3月
ページ数:138P+付図3枚
編集:高田徹
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「増山城は砺波平野の東部山中、射水郡との境に位置する。南北朝期の貞治2年(1363)から史上に現れ、特に、戦国期には守護代神保氏の主要拠点として重要な位置を占め、越後から来攻する長尾(上杉)勢、砺波の一向一揆勢との間に各逐を争った。二上城の守山城、新川郡の松倉城とともに、越中の三大古城として知られる。文献も比較的多く、この分野からの研究は以前からかなり進んでいる。しかし、山城の常として、城の遺構そのものの実態は、ほとんど手つかずのまま残されていた。このたび、増山城跡調査グループの皆さんが砺波郷土資料館を中心としてこの解明に取り組まれ、遺構の実態と城の機能を明らかにされ、さらに城を取り巻くさまざまな事柄について博捜された。その結果、増山城の遺構が予想以上に壮大で、しかも破壊されずに遺存していることが判明した。」
4年間におよぶ調査の報告書です。現在は品切れのため販売されていませんが、ようやく古書で入手しました。本来3枚の付図が付いていますが、残念ながら入手したものには付いていませんでした。増山城跡は今年度発掘調査報告書が発行予定ですが、城下町を含めた報告書は本書を参考にするのがよいでしょう。
[目次]
はじめに
一 調査等の経過
二 増山城周辺の歴史的環境
三 文献史料からみた増山城とその性格
第一期 南北朝時代
第二期 室町時代
第三期 戦国時代
第四期 戦国時代末
第五期 近世初頭
四 増山城郭群の形成
第一期 南北朝時代
第二期 室町時代
第三期 戦国時代
第四期 戦国時代末
第五期 近世初頭
五 増山城郭群の遺構とその特色
六 城跡絵図にみる増山城
登り道
水源
城内の郭群
角櫓(隅櫓)
鐘撞堂
その他
七 城郭群の遺物
八 城下町の形成
九 城下所在の寺院
一〇 増山城城下町遺跡の発掘調査(昭和52年)から
調査の経緯
遺構と遺物
城下町の形成と終えん
付論一 増山城主中川光重略伝
付論二 廃城後の増山城
付論三 増山の小地名調査
付論四 増山城にかかわる伝説
増山城関係年表
おわりに
付図1 増山城郭群遺構概念図
付図2 増山の小地名(城下町)
付図3 増山の小地名(山地)