古写真に探る熊本城と城下町

古写真に探る熊本城と城下町
発行:肥後上代文化研究会
発行日:1993年9月1日
ページ数:129P
著者:富田紘一
定価:2,000円(当時) 絶版
オススメ度:★★★★☆
書評:
「往時の熊本城は、大小の天守をはじめ数多くの櫓がそびえていた。大天守は3層6階、小天守は2層4階で南北に並んでいる。このほか時期により違いはあるが、五階櫓が6棟、三階以下の櫓も多数存在した。加藤時代にほぼ完成された城郭は、細川時代になって整備と保守を加えながら明治維新を迎えている。城郭としての死命を終えた熊本城は明治の激動の中で荒波を受けることとなり、ついに明治10年(1877)2月19日、西南戦争の直前に原因不明の失火により消失して姿を消すことになった。城郭の配置や間取りは絵図によって記録されているものもあるが、具体的に姿を見せてくれるのは皮肉にも明治の文明開化がもたらした新しい写真の技術であった。当時の写真技術からすると、撮影一つ取ってみてもまだ簡単にできるものではなく、地方において明治初期の風景が記録されることは数少ない時代であった。往時の姿をとどめた撮影初期から10年2月に焼失するまでを、古写真の撮像から熊本城の変遷を探ってみたいと思う。」
城の古写真を載せている本は多いが、城下町を含めて一城の古写真を収録したものは珍しい。写真サイズも大きく鮮明で、解説付きで写真風景を楽しめるのは大変良い。


[目次]
1.はじめに
2.熊本城の概要と古写真
3.熊本城と城下町「熊本」
4.そびえる大小天守
5.頬当門跡、加藤神社の鳥居と鎮台正門
6.二の丸から見た本丸
7.城内各地からの眺望
8.坪井から熊本城東北面を望む
9.南から見た熊本城
10.熊本城の南端・古城
11.大天守から見た城域と城下町
12.坪井川筋の風景
13.白川筋の風景
14.井芹川筋の風景
15.近郊の風景
16.まとめにかえて
17.あとがき

「古写真に探る熊本城と城下町」への1件のフィードバック

  1. 古城を築城した鹿子木親員の子孫です。この書籍は国会図書館に、在るでしょうか。

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