出版社:上毛新聞社
発行日:1982年12月初版
ページ数:275P
編者:山田武麿
定価:1,300円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本県には幕末維新の時、前橋・高崎・館林など九つの藩があった。江戸時代の初めから途中で廃城になったものを合わせると、おおよそ十三を数える。その所領は上野国全体の八割強に当たる。つまり県民の大半は江戸時代、そのどれかの藩の支配をうけていたのである。こうした封建支配の関係は歴史的にはいろいろな問題を含んでいるが、藩は近代的な行政区とちがって、それぞれの地域に住んでいた領民の生活様式や文化意識に何らかの個性的な影をおとしている。城や陣屋の跡、城下町の町割、神社や寺院、各種の祭礼などはその徴証の一端であろう。編集にあたって、初めは全一冊を予定して藩の大小により紙数を配分したが、実際には種々の事情で大幅に超過してしまった。このため上下巻二冊とし、藩庁の所在によって西毛編、東毛編に分け、総社・高崎・安中・小幡・七日市・吉井の六藩を上巻に、前橋・沼田・伊勢崎・大胡・館林等を下巻に収載することとした。」
本冊は上下合わせて、江戸時代の上州(栃木県をほぼカバー)にあった藩をカバーしている。高価な本に負けないくらいの情報量を、当時であっても手頃な価格で盛り込んだ良書といえる。郷土書の良い見本のような企画であるが、残念ながら現在は非常に入手が難しくなっている。ほとんど出てこない古書を地道に探すほかに入手する方法はないであろう。
[目次]
前橋藩
一 前橋藩の成立
二 酒井氏の入封と初期藩政
三 名君忠挙の治績
四 藩財政の破綻と姫路転封
五 松平氏の入封と川越移城
六 前橋分領と興農施策
七 幕末・維新と前橋帰城
前橋藩年表
沼田藩
一 戦国から近世へ
二 真田氏の支配
三 真田氏の改易
四 貞享検地と代官支配
五 土岐氏の支配
六 土岐氏と明治維新
沼田藩年表
館林藩
一 江戸初期の館林
二 館林の繁栄
館林藩年表
伊勢崎藩
一 伊勢崎藩の成立
二 藩主の変遷
三 前橋藩の支配と第一次酒井氏
四 第二次酒井氏と事蹟
五 家臣団と職制
伊勢崎藩年表
大胡藩
一 大胡藩のあらまし
二 大胡郷と大胡氏
三 藩主牧野氏
四 所領と家臣団
五 城下町
六 牧野氏の開発事業
七 前橋藩領へ
藤岡・白井・那波藩
藤岡藩
白井藩
那波藩
補説
あとがき
上記の書籍(上州の諸藩.下巻)入手(購入等)をしたいのですが、どのようにしたらよろしいでか、お教えください。
よろしくお願いします。