出版社:上毛新聞社
発行日:1981年9月初版
ページ数:243P
編者:山田武麿
定価:1,200円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本県には幕末維新の時、前橋・高崎・館林など九つの藩があった。江戸時代の初めから途中で廃城になったものを合わせると、おおよそ十三を数える。その所領は上野国全体の八割強に当たる。つまり県民の大半は江戸時代、そのどれかの藩の支配をうけていたのである。こうした封建支配の関係は歴史的にはいろいろな問題を含んでいるが、藩は近代的な行政区とちがって、それぞれの地域に住んでいた領民の生活様式や文化意識に何らかの個性的な影をおとしている。城や陣屋の跡、城下町の町割、神社や寺院、各種の祭礼などはその徴証の一端であろう。編集にあたって、初めは全一冊を予定して藩の大小により紙数を配分したが、実際には種々の事情で大幅に超過してしまった。このため上下巻二冊とし、藩庁の所在によって西毛編、東毛編に分け、総社・高崎・安中・小幡・七日市・吉井の六藩を上巻に、前橋・沼田・伊勢崎・大胡・館林等を下巻に収載することとした。」
上州は小藩のあるため、藩史事典の類では詳細がほとんどない藩も多い。そういう中である程度の分量を持って解説されている本書のような地元の本は貴重な存在である。地元加賀藩の関係としては、分家の七日市藩が出ているので欲しかった。古い本でもあるのでなかなか古書としても出回らないが、地道に探してみてほしい。
[目次]
総説 -上野国の諸藩-
高崎藩
一 はじめに
二 高崎城の由緒
三 井伊氏の箕輪入封と高崎移城
四 酒井家次の入封
五 安藤氏の入封と潘体制の確立
六 間部詮房の入封
七 大河内氏百七十年の治政
八 城下町の繁栄と農村の疲弊
九 幕末維新期の動向
十 高崎藩の廃城
高崎藩年表
安中藩
一 安中藩の成立
二 農村支配と藩政の展開
三 第二次板倉氏時代の所領と藩政
四 藩政の動揺と展開
五 幕末維新から廃藩へ
安中藩年表
小幡藩
一 小幡藩の成立
二 織田藩政の確立と動揺
三 松平氏入封と藩政の展開
四 幕末・維新期の動向
小幡藩年表
吉井藩
一 吉井藩のあらまし
二 藩主の系譜と所領
三 城下町(吉井宿)と陣屋
四 藩財政
五 幕末・維新の動向
六 吉井藩年表
七日市藩
一 七日市藩の成立
二 藩主の変遷
三 所領の石高と貢租
四 藩の家臣団と職制
五 七日市陣屋と町割り
六 重要政策および藩政改革
七 事件と騒擾
八 幕末・維新の動向と藩政
七日市藩年表
総社藩
一 総社藩の成立
二 藩主の系譜
三 植野堤の開さくと新田開発
四 秋元氏の功績と転封
総社藩年表
前略
初めまして、上記の書籍(上州の諸藩)を手にいてたいのですが、どのようにしたらいいかお教えください
上州の諸藩はすでに絶版しており、版元でも入手できない状態ですので古本として入手するほか方法がないと思われます。自分も1年間こまめにネットをチェックしてようやく入手しました。先日もオークションに1組出品されていましたが、2,3年に1組程度しか出てこないようです。