編集・発行:前原市教育委員会
発行日:2006年3月31日
ページ数:110P+図版24P+付図2枚
定価:1,200円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
「怡土城は前原市と福岡市とが境を接する高祖山西斜面一帯に築城されました。その築城に関して『続日本紀』には天平勝宝8年(756)6月から神護景雲2年(768)2月までの約12年の歳月を要したことが記されています。この怡土城の所在する高祖山は自然遊歩道が設置され、軽登山のメッカとして市民に親しまれています。自然遊歩道は怡土城の土塁上に設置されているために、現時点におきまして、計6ケ所の礎石群を見学しながら登山することができます。さらに高祖山の頂上部には中世の『高祖城』も所在し、古代のみならず中世の石塁・礎石なども堪能できます。本書は昭和47年から現在にいたるまでの怡土城に関する主な発掘調査の成果を整理したものです。」
書評:
朝鮮式城郭の怡土城の単年度の発掘調査報告書ではなく、これまでのすべての発掘調査を整理したもの。怡土城に関する調査のすべてを把握できます。本書は、伊都国歴史博物館で購入することができます。同ページには、平成11年度秋季企画展示図録「怡土城とその時代」、前原市文化財報告書 第85集「高祖城」も販売されていますが、現時点では品切状態でした。郵送の場合は、代金を現金書留か郵便小為替で送り、冊子小包着払いで送料360円となります。
[目次]
Ⅰ.はじめに
1.今日までの発掘調査の経緯
2.収録遺構
3.調査の組織
Ⅱ.位置と環境
Ⅲ.怡土城概説
1.時代背景
2.地理的環境
3.築城の経緯
4.渤海国との関係と新羅征討計画
5.吉備真備
6.築城秘話
7.築城の理由
Ⅳ.調査報告
1.第5望楼
2.第4望楼
3.懸庄礎石群
4.高来寺遺跡
5.大門遺跡
6.大門遺跡
7.怡土城における版築層等についての土質工学的考察
Ⅴ.その他
1.寺嶋氏寄贈資料
2.怡土城に関連する鬼瓦
3.怡土城採集資料
Ⅵ.おわりに
1.遺構
2.遺物
3.怡土城の終焉
4.怡土城のその後
付図1 怡土城遺構図 1/10000
付図2 高祖城縄張図 1/1000