出版社:H・L・C(ヒューマン・レクチャークラブ)
発行日:2002年11月初版
ページ数:223P
著者:請川洋一
定価:1,800円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「現役を引退したからといって、なにも家の中で、じっとしていることはないのです。今まで、様々な柵の中に身を置いて、しかも働きづめに働いてきたのですから、これからの人生は、思いのまま心のままに、大いに楽しんでください。そんな、第2の人生の楽しみ方のひとつに、『山城ハイキングと史跡巡り』はいかがでしょう。小高い山があれば『山城』、といっても決してオーバーではないほど、中世の山城は私たちの周囲に、その姿をとどめているのです。山城は、何も知らずに登ればただの山です。しかし、そこには『本丸』や『二の丸』といった、城を構成していた削平地(郭)や堀、石畳、石垣、門跡など、様々な遺構があるのです。そんな、500年の時を越えて今に残る施設を前に、往時に思いを馳せる、なんというロマンでしょう。」
広島県近郊に残る山城をハイキングコースを兼ねて、その歴史の解説と見所をイラスト付きで掲載している。総フルカラーの写真やイラストは見ているだけでも楽しくなるが、地方出版社のためか最近の発行にしては入手が難しいのが残念である。
[目次]
1 銀山城跡 安芸武田氏栄華の後先
2・3 己斐城跡・立石城跡・古城跡 己斐3城
4 門山城跡 陶晴賢陸の拠点
5 高松山城跡 熊谷氏三人の拠点
6 木ノ宗山城跡 吉川興経幽閉の城
7 鏡山城跡 周防大内氏安芸の拠点
8 頭崎城跡 広島県内第2の規模
9 木村城跡 小早川隆景若き日の拠点
10 鍵城跡 小早川水軍浦宗勝の城
11 松尾城跡 竹原小早川西の守り城
12・13 新高山城跡・高山城跡 対峙する小早川城跡
14 星ケ城跡 毛利氏一族の城
15 桂城跡 毛利氏重臣桂元澄の城
16 鈴尾城跡 毛利元就生誕の地
17 郡山城跡 毛利元就の居城
18 多治比猿掛城跡 元就の青春
19 五龍城跡 元就の娘が嫁いだ城
20・21 田屋城跡・日下津城跡 カタクリの里の2城
22 南天山城跡 和智氏三次盆地の拠点
23 今田城跡 吉川氏一族の城
24 小倉山城跡 毛利元就お方の里
25 日山城跡 吉川元春の居城
26・27 発坂城跡・岩田城跡 栗栖氏2城
28 青陰城跡 因島水軍の城
29 鞍掛城跡 杉隆泰と元就合戦の地
30 亀居城跡 広島城の支城
31 琴石山 室町時代の砦
32 高尾山 安芸国国府の見張り台
33 宗箇山 広島藩家老上田宗箇の松
山城を楽しむために
山城用語