編集・発行:松阪市教育委員会
発行日:1992年3月
ページ数:48P+図版40P+付図5枚
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「松阪城は戦国時代の智将、蒲生氏郷公の構築になった城であります。三の丸跡は、周囲を囲っていた土居などが取り払われ、御城番屋敷や槙垣を巡らした武家屋敷などが、辛うじて昔の面影を留めているにすぎません。二の丸跡、本丸跡には高石垣が残っており、その威容を誇っています。しかし、高石垣内には城に伴った建物は現在何一つ残っていません。昭和57年には『松阪城天守閣建設に関する陳情』が松阪市議会に提出され、採択されました。そこで、市としては『築城当時の本丸建物の構造を明らかにしたい。』と考え、東京工業大学・名古屋工業大学教授の内藤昌博士の指導による文化環境研究所に本丸建物の時代考証をお願いしました。これに伴い、地下遺構の検証が必要となり、平成元年度と平成2年度の2ヵ年にわたり発掘調査を実施しました。その結果、天守閣跡の集石・多聞跡の礎石などの遺構や金箔瓦・金銅製六葉金具などの遺物が検出され、いくつかの成果を得ることができました。」
書評:
三重県松阪市の松阪城の本丸上段つまり天守台を含む最上段の発掘調査報告書です。
[amazonjs asin=”4876621357″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”松阪 城と城下町―天守閣建設をめぐって”]
[目次]
Ⅰ 前言
1.調査に至る経過
2.発掘調査の方法と経過
3.発掘調査日記抄
Ⅱ 位置と歴史的環境
1.位置と地形
2.歴史的環境
3.松阪城
Ⅲ 遺構
1.天守閣跡
2.付櫓跡
3.敵見櫓跡
4.敵見櫓北続多聞跡
5.北廻多聞跡
6.金の間櫓跡
7.兵部屋敷跡
8.本丸井戸跡周辺
9.その他(三の丸跡試堀)
Ⅳ 遺物
1.土器
2.屋根瓦
3.金属製品
4.石製品
Ⅴ 結語
1.本丸の築成
2.石垣
3.本丸跡上段の遺構
4.出土遺物
付図
1.天守閣跡実測図
2.兵部屋敷(大広間)跡実測図
3.敵見櫓・付櫓跡実測図
4.敵見櫓北続多聞跡実測図
5.北廻多聞跡実測図