編集・発行:文化庁
発行日:1969年3月31日
ページ数:28P+図版30P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「十六世紀末期、加賀平野に築かれた金沢城は、前田家十四代二百八十余年の居城とされてきたが、たび重なる火災のため城内建物は幾多の変遷を経た。また維新後は陸軍省の所管となり、明治十四年の再度の失火と兵舎設営のため建物の大半を失って、現在では石川門とその周辺の櫓、土塀等八棟及び三十間長屋一棟を残すのみである。現存の石川門は天明八年に再見され、また三十間長屋は安政五年に再見されたもので、いずれも今日重要文化財に指定されている。昭和二十四年城内に金沢大学がおかれることとなり、建物は同大学の管理するところとなったが、再建以来百余年を経てこれら建物の各所に破損を生じたので、このたび根本的な修理工事を施工したものである。工事は金沢大学と協議の上、文化財保護委員会(昭和四十三年六月以降は文化庁)の直轄工事として実施したが、その工事の経過、工事中に行った現状変更の説明、調査記録および写真、図面等を収録上梓して、今後の参考に資するものである。」
金沢城の石川門と三十間長屋に関する修理報告書である。当時の報告書は研究書としての性格はないため、純粋な報告のみだが、修理途中の写真や設計図面は貴重な資料である。
[目次]
第一章 概要
第二章 石川門工事
第一節 建造物の概要
第二節 修理工事の概要
第三節 調査事項
第三章 三十間長屋工事
第一節 建造物の概要
第二節 修理工事の概要
第三節 調査事項
写真
図面