編集・発行:南山大学古渡城発掘調査会
発行日:1993年11月
ページ数:215P+図版52P+折り込み付図2枚
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「真宗大谷派(東別院)の、広大な境内のサクラも盛りを過ぎて、花吹雪が舞い始めた平成3年4月、この発掘調査がスタートした。東別院の読売新聞社用地が、織田信長の父、信秀の居城だった『古渡城』跡の一部ではないか、という話は聞いていた。しかし、名古屋市教育委員会発行の名古屋市埋蔵文化財包含地図の指定からは、辛うじて外れていたので、よもや発掘調査をすることになるとは思っていなかった。市教委による試堀の結果、やはり発掘調査の必要があるという結論が出たとき、正直言って『これは困ったな』と思ったものだ。もちろん、多大な費用と時間がかかるということのほかに、一体、どこの誰に、発掘をお願いすればよいのか、まったくあてがなかったからである。」
書評:
本書は、古渡城跡と推定された東別院読売新聞社用地の発掘調査報告書である。発掘調査を担当したのは南山大学の伊藤秋男教授。よって、本書は「南山大学大学院先史考古学研究報告」として発行されている。発掘調査では予想を裏切らず大量の遺構と遺物が出土している。本書は序で述べられているとおり、報告書と研究書の区別がつかないような体裁をとらず、あくまで調査の純粋な報告に努めている。その分、解釈は読者に委ねられていると言えるが、浅学の身としてはヒントぐらいあってもよいのではないかと思えてしまう。
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[目次]
第1章 位置と環境
第2章 遺跡調査の概要
第3章 遺構
第4章 遺物
第5章 総括
第6章 結語
付編
近代の下水管について
付表
遺構実測図図面台帳
遺物観察表
遺物台帳
英文要約