編集・発行:芦屋市教育委員会
発行日:1998年3月31日
ページ数:62P+図版16P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「芦屋市街地の北緑、表六甲の山裾の標高130メートルの高台に芦屋市墓園があります。この墓園の拡張工事の計画が市担当部局より提出され、この区域内は貴重な文化財として天下の大坂城の石切場の一角に該当することから、教育委員会社会教育部文化財課では、工事前に関係石材の保護や記録保存を目的とした発掘調査を行うことになりました。本書はその成果物であり、調査は平成5年初秋に行われておりましたが、遺憾ながら、報告書として刊行するまでの出土品の整理や原稿執筆の時期に、不幸にも阪神・淡路大震災が起こり、諸作業が完全に頓挫してしまいました。このたび、ようやく成果の一端が整い、実施された調査の概要がまとめられましたので、ここに公にいたします。」
書評:
徳川家が外様大名に行わせた大坂城石垣の天下普請の採石場の一つの発掘調査報告書です。本書の対象となった地区は刻印から長州毛利家の採石場と考えられる。本書は配布のないものだと考えられるが、運良く古書として入手することができた。
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[目次]
Ⅰ.はじめに
(1)芦屋市墓園の概要と発掘調査の契機
(2)事業地における分布調査の実施
Ⅱ.東六甲採石場の認識と今回の調査地
(1)徳川幕府による大坂城の再築と石垣用材
(2)東六甲採石場の範囲と現状
(3)奥山刻印群の概要
(4)調査地の自然環境と歴史的環境
Ⅲ.発掘調査の経過
(1)調査の目的と調査方法
(2)発掘調査の経過
Ⅳ.発掘調査の結果
Ⅴ.まとめと考証
(1)徳川大坂城石垣用材採石場における当調査地の占める位置
(2)採石現場の具体相
(3)奥山刻印群K地区における毛利氏所用刻印の分布と意義
(4)石材搬出のルートについて
(5)刻印石の移設保存
(6)採石場の保存と刻印石の活用
(7)参考資料 -山口県立博物館の毛利家刻印石