金沢城跡石川門前土橋(通称石川橋)発掘調査報告書Ⅱ

金沢城跡石川門前土橋(通称石川橋)発掘調査報告書Ⅱ
編集・発行:石川県埋蔵文化財センター
発行日:1998年3月30日
ページ数:247P+図版106P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本報告書で第1分冊の報告を再録するのは、金沢御堂時期の遺構の時期と重ならないものの、土橋が金沢御堂の時期に構築されて江戸時代に継承される。そして、さらに発展的に使われており、金沢城そして金沢御堂で重要な施設であったことが推測される。したがって、本報告でもその歴史的展開をふまえる必要がある。また、先の第1分冊では遺物写真を載せることができなかったので、年代の指標となるような、そして問題となるような遺物は、本書でできる限り実測図面も再録した。第1分冊の報告であつかったのは、沈床園調査区と、石川門調査区、兼六園調査区の3箇所で、白鳥堀調査区の金沢御堂期の包含層直上、すなわち土橋の盛土までであった。なお、第1分冊は、近世近代編として編集したものの、沈床園調査区の6層以下、石川門調査区の盛土6が16世紀後半の金沢御堂期に属するものであるが、記述の便宜上そこで報告した。したがって、詳しい調査成果は第1分冊を参照していただきたい。」
金沢城石川門前の発掘調査報告書の2分冊目である。本書では主に白鳥堀側の調査結果と遺物を掲載している。調査では、金沢御坊時代の土橋、藩政期の土橋、辰巳用水の木管などが発掘された。
本書は残念ながら一般販売はされておらず入手できなかったので、図書館で借りて一部コピーを所持している。
<2011/1/22追記>
昨年古書を入手しました。最近ようやくポツポツと古書に出てくるようになりました。


[目次]
第1章 近世の調査概要
 第1節 調査区の設定と百間堀の基本土層
 第2節 盛土の構成と土橋の変遷
 第3節 木樋と辰巳用水
 第4節 主要出土遺物
 第5節 小節
第2章 白鳥堀調査区
 第1節 白鳥調査区の土層関係
 第2節 平成5年度調査
 第3節 平成6年度調査
 第4節 小結
第3章 白鳥堀調査区出土遺物
 第1節 輸入陶磁器
 第2節 国産陶磁器
 第3節 土器・土製品
 第4節 瓦類
 第5節 漆塗製品
 第6節 木製品
 第7節 石製品
 第8節 金属製品
 第9節 小結
第4章 白鳥堀調査区検出炉跡考古地磁気年代測定
第5章 出土木製品の樹種同定と考察
第6章 出土漆塗製品の漆膜分析から見た研究
第7章 白鳥堀調査区出土鉱滓の理化学的分析
第8章 絵図、古文献から見た金沢城石川門前の研究
第9章 結語
 第1節 問題の所在
 第2節 遺物整理の方法と問題点
 第3節 金沢における近世初頭の陶磁器
 第4節 結語