編集・発行:石川県教育委員会、石川県埋蔵文化財センター
発行日:2007年3月26日
ページ数:78P+図版18P+付図2枚
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本町では、昭和60年度以降、末森城跡と御舘館跡の遺跡調査を進めてまいりました。その結果、末森城跡は各種文献が示すように、羽咋郡南部の統治に係わる戦国時代屈指の山城であり、御舘館跡は北陸地方を代表する巨大な平地館城であることが確認されました。この地域には、両城館跡に関する伝承も多く、今日まで数々の開発事業から遺跡が守られてきたのは、地元の方々の熱い思いと努力によるものであると思っております。
平成14年度から新たな調査委員会を結成し、旧押水町に所在する末森城跡、御舘館跡、坪山砦跡の保存活用を目的とした学術調査を続けて来ましたが、平成17年3月に志雄町、押水町が合併し、宝達志水町が誕生するに至り、旧志雄町に所在する三日城跡、萩市城跡、菅原館跡、国田館跡を含めて、七箇所の城館跡を対象とした幅広い調査を行う必要があると考えております。調査事業は始まったばかりで、解明すべき事柄も数多く残存しております。本報告書は、今後の解明に対する問題提起であるとともに、さらに発展した調査や整備へ移行する際の基礎資料になれば幸甚に存じます。」
石川県羽咋郡宝達志水町の末森城跡と御舘館跡などのこれまでの調査をまとめた総集編ともいうべき報告書である。末森城は前田利家と佐々成政の「末森の合戦」の舞台となったところで、末森城が前田軍の支城、佐々軍の陣は坪山に砦を築いて対陣した。
本書は残念ながら一般販売はされておらず入手できなかったので、図書館で借りて一部コピーを所持している。
[目次]
第1章 調査に至る経緯と経過
第1節 調査に至る経緯と調査の体制
第2節 調査経過
第2章 位置と環境
第1節 地理的環境
第2節 歴史的環境
第3節 末森城等城館跡群の往時の調査概要
第3章 発掘調査
第1節 御舘館跡
第2節 坪山砦跡
第3節 末森城下関連遺構調査
第4章 小字地名調査
第1節 確認した小字地名
第2節 旧押水町における小字の傾向
第5章 縄張調査
第1節 御舘館跡
第2節 末森城跡
第3節 坪山砦跡
第6章 末森城下の概要
第1節 過去に実施された調査
第2節 旧地籍図調査
第3節 表採調査
第4節 末森城下についての考察
第7章 末森城等城館跡群の特徴
第8章 文献調査
第1節 末守周辺城館跡の存廃について
第2節 末守城等の文献について
第3節 史料翻刻
おわりに