骨は語る徳川将軍・大名家の人びと

骨は語る徳川将軍・大名家の人びと
出版社:東京大学出版会
発行日:1985年12月初版
ページ数:221P
著者:鈴木尚
定価:3,800円(当時)、5,000円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「和宮は典型的貴族形質の持ち主、替え玉説は成り立たない。歴代将軍(秀忠から家茂まで七人)・大奥の夫人(桂昌院から和宮まで十人)、尾張藩主、伊達政宗らの生前の姿を再現。」
著者は「骨の人類学」の専門家であり、多数の骨に関する著書を有する。発掘調査による実証的な骨の検証からかの人びとの特徴を探っている。内容は専門的ではあるが、ベールに包まれたいわゆる偉い人の実態に興味がわく作品である。
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[目次]
プロローグ 江戸時代の日本人はどんな顔つきだったか
第1部 徳川将軍の骨は語る
1 戦国武将の面影のこす毛深い将軍 -2代徳川秀忠-
2 猫背でひどい反っ歯の初代甲府宰相 -徳川綱重-
3 甲府侯から将軍職を継いだ「正徳の治」の主人公 -6代徳川家宣-
4 満3歳の征夷大将軍 -7代徳川家継-
5 歯ぎしりに言語障害があった美男子将軍 -9代徳川家重-
6 短軀に大頭、長い顔に受け口の将軍 -12代徳川家慶-
7 政争の渦中、虫歯と脚気に命をとられた青年将軍 -14代徳川家茂-
第1部のまとめ 典型的貴族形質をもつ徳川将軍
第2部 骨に見る徳川将軍の夫人たち -正室と側室-
1 小柄で華奢な体つきの戦国女性 -2代秀忠の正室、崇源院-
2 大奥の葛藤に耐え、天寿を全うした姫君 -6代家宣の正室、天英院-
3 均整のとれた体をもつ絶世の美人 -11代家斉の正室、広大院-
4 歴代将軍夫人中、随一の美女 -13代家定の正室、天親院-
5 深窓の皇女和宮、将軍家に降嫁 -14代家茂の正室、静寛院-
6 庶民派美人の典型、5代綱吉の実母 -3代家光の側室、桂昌院-
7 大奥の実力者で”教育ママ”、7代家継の実母 -6代家宣の側室、月光院-
8 鼻が高く、額の広いおでこ美人 -11代家斉の側室、契真院-
9 若君出産で奪われた25歳の命 -12代家慶の側室、見光院-
10 将軍の愛を競いあった長身の美女 -12代家慶の側室、殊妙院-
第2部のまとめ 将軍夫人の形質
第3部 骨が語る江戸時代大名
1 幕末・維新期に活躍した殿様 -尾張藩主、徳川慶勝父子-
2 陸奥の雄、波瀾の伊達家3代 -政宗・忠宗・綱宗-
3 貴族形質濃厚な高遠藩主、内藤家の人びと
4 幕府の重臣、沼津城主、水野家の人びと
5 長岡藩牧野家と黒田藩家老久世家の人びと
第3部のまとめ 江戸時代大名の貴族形質
エピローグ 江戸時代貴族の典型的形質と日本人の小進化の歩み