出版社:大阪大学出版社
発行日:2008年2月初版
ページ数:100P
監修:大阪大学総合学術博物館、大阪歴史博物館
定価:2,000円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「大坂夏の陣から1868年の大坂城明け渡しまでの間、大坂城はどのような存在意義をもち、そこと大坂の町を舞台に武士達はどのような活動をしていたのか、また大坂城はどのように管理されていたのかを、絵図から読み解く。」
大坂城下町や大坂城内の絵図が多く掲載されている。加賀藩の地元石川県人としては、加賀藩の支藩であった群馬七日市藩の大坂登城図が興味深い。本書は、大阪歴史博物館で開催された「特別展示 城下町大坂」のために企画されたものであるが、内容は展示内容よりは広くなっている。
カテゴリー: 城下町
歴史群像シリーズ 城と城下町3 名古屋 変遷を古地図・古写真で追う
城と城下町2 大坂 大阪 変遷を古地図・古写真で追う
戦国城下町の研究
太陽コレクション城下町古地図散歩4 大阪・近畿[1]の城下町
東海道五十三次の宿場の中から 東海道の城下町展Ⅰ
編集・発行:豊橋市二川宿本陣資料館
発行日:2004年10月2日
ページ数:72P
定価:800円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
「本図録は、平成16年10月2日から11月14日まで開催される豊橋市二川宿本陣資料館企画展の図録です。」
城絵図と古写真がカラーで掲載された図録は見ていて楽しい。2006年2月にⅡ集が販売されているようだが、Ⅰ集である本書は品切である。
続きを読む 東海道五十三次の宿場の中から 東海道の城下町展Ⅰ
歴史景観の復原 地籍図利用の歴史地理
出版社:古今書院
発行日:1992年10月初版
ページ数:257P
著者:桑原公徳
定価:3,800円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書で課題とする景観は、景観論争や歴史的景観の保全問題などの今日的課題に直接かかわるものではない。本書が対象とするのは、古代~近代の各歴史時代の景観である。しかし、過去の景観の研究には、現在の景観が重要な資料となるので、両者は無関係ではない。近現代につくられた記録・写真・地図類などのうち、古代~近代の各種の景観復元に最も有効な資料となるのは地籍図といってよいであろう。とくに、明治前期に作製された地籍図は、精度の低いものもあるが、それでも過去の景観をとどめている場合が多い。本書では、これらの古い地籍図を利用し、古代から近代にかけての各種の景観を検討している。」
地籍図から当時の景観を復元する作業に関する論文を集めたもの。観点はとても面白く、イラスト入りで分かりやすく説明されているのだが、もとになった地籍図の写真が見にくい。もともと大きなものであったり、彩色されているものをモノクロで掲載しているので限界があるのだろうが残念である。桑原氏は地籍図の利用に関する著書に多く参加されている。しかし、そのほとんどは現在では図書館で見るのがやっという状態であり、刻々と開発が進む現代でこそ、早急にこういう研究を進めなければならないと思うのだが・・・。