加賀藩塩硝をたどる歴史の道

加賀藩塩硝をたどる歴史の道
発行:金沢市崎浦公民館
発行日:2001年2月1日
ページ数:158P
編集:塩硝の道検証委員会
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「内容は専門家の研究書のような論及におよぶものではありませんが、委員会メンバーが塩硝の生産、販路、塩硝調合所などにそれぞれ焦点をあて、全精力を注いで先達の書籍をひもとき、地元の古老から聞き取り、あるいは足で調査したものであります。塩硝蔵周辺の調査など、地元ならではと認めていただける記述もあるかと思います。将来にわたってご参考にしていただけたらと存じます。」
加賀藩の塩硝蔵のあった地元公民館による加賀藩塩硝の調査報告書。同公民館のホームページに簡単にまとめられているが、本書はかなり詳しくまとめられている。ここまでまとめるのは非常に苦労があったものと思われるが、残念ながら市販されなかったようだ。塩硝蔵の研究をするときはぜひ一読してください。

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金澤城 -その自然と歴史-

金澤城 -その自然と歴史- 金澤城 -その自然と歴史-
発行元:金沢大学生活協同組合出版部
発行日:1967年6月初版、1968年10月再版
ページ数:68P
編者:金沢大学金沢城学術調査委員会
定価:120円(再版、当時)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本調査(金沢城発掘調査)に先立って、こうした概説をつくるのは少々気がひけるが、いちおう既得の資料を基にしてまとめてみた。そのため、問題のあると認められるものは省略して厳正を期したが、もとより完全なものとは称しがたい。将来の調査の結果、修正を加える部分もあるかも知れないということを、おことわりしておく。しかし、自然の事物に至るまでを、このような小冊子にとりいれたことは、他に類書はなかろうと自負しているしだいである。」
金沢城内にキャンパスがあった頃に学生に対し、キャンパスの由来を説明するガイドブックとして発行されたものである。長年探していて、初版本と翌年の再版本を同時に市内の古書店で発見したのだが、カバーが単色からカラーに変更になり、再版で文字の誤植を訂正した程度の違いである。文章は学者らしく少々硬いが、掲載されている写真に貴重なものも多い。金沢大学キャンパスは城内からすべて移転したため、今後の再版はなく、入手は非常に困難であろう。
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金沢城

金沢城
発行元:北国出版社
発行日:1970年8月初版、1980年2月改訂版
ページ数:125P
著者:森栄松
定価:580円(改訂版、当時)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は金沢城の歴史や構造について記し、実地の案内とするために著したもので、金沢城を理解する一助となれば著者のこの上ない喜びである。」
文庫本であり、著者は平易な解説を心がけたとあとがきにて書いているが、なかなかに詳しい。金沢城に関する概要をとらえるには十分ではなかろうか。
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シンポジウム金沢城と伝統技術 石川県金沢城調査研究所開設記念

シンポジウム金沢城と伝統技術 石川県金沢城調査研究所開設記念
編集・発行:石川県・石川県教育委員会
発行日:2007年10月6日
ページ数:14P
定価:参加者配布
オススメ度:★★★☆☆
書評:
平成19年10月6日に石川県文教会館ホールで開催されたシンポジウム「金沢城と伝統技術」で配布された小冊子。オールフルカラーで、テーマに沿った論点が簡潔にまとめられている。

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自主研究 金沢城辰巳櫓2 北國TODAY VOL.48

自主研究 金沢城辰巳櫓2 北國TODAY VOL.48
編集・発行:北國総合研究所
発行日:2007年10月
ページ数:50P
定価:会員配布
オススメ度:★★★☆☆
書評:
北國総合研究所の自主研究「金沢城辰巳櫓」のレポート第2回。今回のテーマは「珍しい千鳥破風・唐破風『出し』。幾度もの火災で焼失、再建」。4ページのレポートであるが、1テーマをまとめた報告としては調度良いか。今回は、先日地元ケーブルテレビで放映された辰巳櫓の復元CGと古絵図が掲載されている。

自主研究 金沢城辰巳櫓1 北國TODAY VOL.47

自主研究 金沢城辰巳櫓1 北國TODAY VOL.47
編集・発行:北國総合研究所
発行日:2007年7月
ページ数:44P
定価:会員配布
オススメ度:★★★☆☆
書評:
北國総合研究所の自主研究「金沢城辰巳櫓」のレポート第1回。今回のテーマは「高石垣、明治の大崩落で大改造、『人災』の連鎖恐れ軍が三段に」。4ページのレポートであるが、1テーマをまとめた報告としては調度良いか。明治期の古写真や軍の補修工事の伺書など貴重な資料も掲載されている。

金澤城石垣刻印調査報告書

金澤城石垣刻印調査報告書
発行:城郭石垣刻印研究所
発行日:1977年1月初版
ページ数:126P
著者:田端寶作
定価:不明
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「近世城郭の石垣には、殆んどと申してよい程助役大名とその家臣と思われる家紋・相紋・裏紋等が多かれ少なかれ石垣に刻まれている。その主なものは天下普請である。江戸城・駿府城・名古屋城・篠山城・大坂城等から多数の刻印が検出されていることは周知の事実である。外様大名中最高の石高をもって任ずる金澤城主前田家及びその諸子団のものと思われる刻印がもっとも多く、種類も豊富であることが助役を命ぜられた駿府城修築・名古屋城修築・大坂城修築・名古屋城修築・江戸城修築石垣石材産調査の結果、静岡県伊豆半島東海岸各石丁場等にみられる。したがいまして、その刻印照合の目的を以って金澤城石垣刻印調査を金澤大学当局のご指導のもとに同好の士と共に、第1次調査を昭和50年に五日間、第2次調査を同年に七日間、短期間ほんの一部分を見て全體を知ることは困難でありますが、その傾向をつかめたことは確認をもってご報告できるものと信じます。」
金沢城の石垣刻印調査は、この書を手始めに調査が進むのであるが、従来の定説は刻印は家臣団の家紋だとか目印だといわれてきていたが、近年では、石工(穴太衆)の作業を進めるうえでの印だということで一致してきている。とはいえ、城内の刻印の数を短期間とはいえ調査した本書の価値はまだまだ高いものである。

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金沢城跡石川門前発掘調査概要報告書

金沢城跡石川門前発掘調査概要報告書
発行・編集:石川県立埋蔵文化財センター
発行日:1994年3月初版
ページ数:15P
定価:非売品
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
本報告書は金沢城跡の国重要文化財となっている石川門と特別名勝なっている兼六園を結ぶ橋(通称、石川橋)の架け替えに伴って発掘調査されたものをまとめたものである。少ないページ数ながら、カラーで見やすくなっており、江戸後期の遺構ばかりではなく、金沢御堂期や金沢城初期の遺構も見つかり、大いに成果があがった様子が読み取れる。

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金沢城の発掘1981 藤右衛門丸北側法面裾部発掘報告 金沢大学日本海域研究所報告第18号別冊

金沢城の発掘1981 藤右衛門丸北側法面裾部発掘報告 金沢大学日本海域研究所報告第18号別冊
発行・編集:金沢大学日本海域研究所
発行日:1986年初版
ページ数:325P
定価:非売品
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「昭和56年10月17日から同年12月18日まで、2か月間にわたって本調査は行われた。昭和55年暮れから56年にかけての豪雪は、金沢城内藤右衛門丸跡地と境を接する尾崎神社側への土砂崩れをおこした。尾崎神社からの災害復旧の申請に対して、大学は直ちに、この場所の災害除去と将来にわたる災害防止策をたて、L字型擁壁の埋設を立案した。このため、金沢城学術調査委員会をに対し、大学は、埋蔵文化財等の事前調査を依頼した。同委員会は、直ちにこの場所の発掘調査を決定し、当時の鈴木一雄文学部長に対し、文学部考古学研究室によって、発掘調査が行われるよう斡旋方を依頼した。この調査は、災害復旧と災害防止の土木工事に伴う緊急事前調査であったために、二次的災害が発生しないよう十分に配慮して行われ、危険箇所への調査は、必要最少限度にとどめられた。」
本発掘調査では大量の瓦が発見されたようで、本誌に載っている出土物のほとんどは瓦である。この工事により石垣の一部は撤去されたようであるが、資料があるわけなので、現在進行中の金沢城の石垣回廊として復元されると良いと思う。

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金沢城代と横山家文書の研究 金沢城史料叢書5

金沢城代と横山家文書の研究 金沢城史料叢書5
発行・編集:石川県教育委員会事務局文化財課金沢城研究調査室
発行日:2007年3月初版
ページ数:220P
定価:1,430円(税込5%)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「今回刊行したのは、『加賀八家』と呼ばれる加賀藩前田藩の重臣、横山家に所蔵された史料調査の報告書です。横山家は、金沢城代をつとめる家柄でもあり、城の管理維持につとめた城代の家にふさわしい良質の金沢城図を数点所蔵されております。中でも『御城中壱分碁絵図』は江戸後期の代表的な金沢城絵図であり、いろいろな著作や図録等で幅広く利用されております。この絵図調査が機縁となり、平成十六年、横山隆昭氏のご好意により、ご所蔵の史料を調査してほしいとの依頼があり、この三年間、史料目録の作成を行うとともに、重要な古文書は解読し、関連の史料調査などを行いました。調査の終盤では、調査結果を踏まえ、金沢城との関連や横山家の藩政に果たした役割などについて考察を進め、その成果は研究編に掲載しました。」
金沢城史料叢書としては5冊目。加賀八家(幕府でいうところの老中)の横山家に伝わる古文書類の調査報告書となっている。特に金沢城代を歴代勤めたことから城代の役割に関する史料が多いようだ。
石川県行政情報サービスセンター有償刊行物一覧

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