著者:香川宣阿
発行:マツノ書店
発行日:1913年7月15日(上巻)・8月15日(下巻)影印、2000年7月10日復刻
ページ数:上巻618P+下巻682P
定価:12,000円(5%税込) 限定300部
オススメ度:★★★☆☆
書評:
大正二年に早稲田大学出版部から発行された通俗日本全史の影印本。中国地方の戦国史を著した「安西軍策」を原作とした父の著した「陰徳記」を再編集して香川宣阿が書いた長編軍記物である。軍記物は一般的に史料的価値が低いとされているが、近年のその資料的価値が見直されている。本書もそのひとつである。
カテゴリー: 毛利元就[毛利元就(1997)]
安西軍策 付毛利元就記
戦国七名将 英傑たちの史跡を徹底ガイド
広島城四百年
復刻毛利軍功記
毛利元就 NHK大河ドラマ・ストーリー
尼子毛利合戦雲陽軍実記
出版社:新人物往来社
発行日:1978年3月初版
ページ数:306P
校注者:勝田勝年
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は、『雲陽軍実記』を全国の読者の前に紹介し、併せて必要な解説を加えて理解に役立てようとする目的から執筆したものである、『雲陽軍実記』を『尼子毛利合戦雲陽軍実記』と命名したのには理由がある。それは本書が全国に紹介されるのは今度が初めてであるからである。したがって、一見その内容が知りがたいと思われたので、内容を率直に示すために『尼子毛利合戦』の冠称を付した。」
「雲陽軍実記」は史実の正確さに重点が置かれたものではない。毛利方の「陰徳太平記」と対をなす尼子方の諸将の心情をよく表わしている史料である。本書にはふりがなや校注があり、読み進めるのに大変に役に立つ。発行部数が少なかったのか、古書でもなかなか入手困難である。今回は本体のみ箱なしのものを入手できたが、本体の状態はよかったので背ラベルを写真にしてある。NHK大河の「毛利元就」放映のときにでも再販してもらえればよかったと思う。
毛利元就と地域社会
出版社:中国新聞社
発行日:2007年6月初版
ページ数:276P
編者:岸田裕之
定価:1,680円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「1997年NHK大河ドラマ『毛利元就』が放映され、中国地域・瀬戸内海地域に元就ブームが起こった。ドラマの最後に付けた『元就紀行』、また関連事業として東京・広島・名古屋・萩で公開した『毛利元就展 -その時代と至宝-』、地域密着型で進めた『歴史リレーフォーラム -元就歴史紀行-』、パネル展等々、好評であった。あれから早いもので今年は十周年を迎える。人間が生きるということはどういうことか。どういう地域性・時代性の制約のなかで、自らをどう位置づけ、どういう課題を背負い、どういう方法でそれを実現していったか、そしてそれはどういう意味を持ち、歴史上どう評価されたか。それは、現在も、立場の違いはあっても、私たち一人ひとりが体験していることである。このたび、専門の研究者八氏のご協力を得て、最先端の研究成果を紹介することとした。読者の方々には、この書を人の生き方の一事例として受け止め、正の遺産も負の遺産も時代の所産として現在の社会のなかに投影してみてほしい。そうして歴史は、過去・現在・将来の時間軸のなかで身近なものとして活かされ、また歴史学は、本来の学問的価値を回復し、人間が生きるための総合科学としての役割を果たせるものと思われる。」
次の時代を見通して継承と断絶、そして創造を合理的に成し遂げた人物、毛利元就。その「国家」づくりや財政、軍事、文芸活動などに関する最先端の研究成果を紹介。吉川氏、大内氏など地域大名の支配体制についても考察する。