出版社:東京堂出版
発行日:2008年6月初版
ページ数:228P
編者:西ヶ谷恭弘
定価:2,400円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「城郭を調べる際のポイントを、『建築』『土木』『歴史』の視点から詳解。天守や櫓だけではなく、蔵や石垣などの城郭の見方・調べ方を図版とともに解説する。城郭史と分野別の城郭関連図書も収録。」
全国の城館を紹介するものではなく、あくまで構造や歴史など見方を指南する本です。建物のほか、石垣の項が非常に詳しく、石垣丁場が紹介されているなど最新の城郭発掘調査のトレンドを踏まえた構成になっています。
カテゴリー: 城郭の調査
城と城下 近江戦国誌
戦国の城を歩く
出版社:筑摩書房
発行日:2003年4月初版
ページ数:199P
著者:千田嘉博
定価:1,200円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「城郭研究とは、研究分野としてたいへん若く、活気にあふれています。ところで、みなさんは中世や戦国時代の歴史を研究するといえば、まず文字史料にもとづいた方法を思いうかべるのではないでしょうか。これにたいして城郭研究は、城跡からわかってくることを資料として歴史の解明を目指します。つまり遺跡としての城跡からはじめる研究なのです。城郭研究の現場では、多分野におよぶ資料群の検討をひとりで行ってしまう、『ひとり学際研究』が流行しています。考古学の研究者も文字史料をあつかい、文献史学の研究者も遺構・遺物を資料にして歴史を組み立てます。考古学や文献史学といったいずれの学問を基盤にしても、城や城下のかたちをつかむことはあたりまえで、そこから何を読みとって、何を解明するかが問われています。この本を通じて、日本列島のいたるところに残る埋もれた城跡を体験し、歴史を考える楽しさを、みなさんと共有したいと思います。」
文体は非常に平易で、楽しみながら読み進めることができます。城の楽しみ方がわかる城郭研究の入門書です。
埋蔵文化財発掘調査の手びき 13版
出版社:国土地理協会
発行日:1966年11月初版、1975年6月13版、2006年2月21版
ページ数:232P
編者:文化庁文化財保護部
定価:1,000円+税(13版)、2,100円+税(21版)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「今日、発掘の技術はめざましく進歩しているといわれる。これを小冊子に詳述することは困難なことであるが、あえてここに『埋蔵文化財発掘調査の手びき』を作成し、埋蔵文化財保護の一環に資することととした。」
文化庁による埋蔵文化財の発掘調査と報告についての手びきである。発掘調査がどのように行なわれているのか、発掘調査書をどう読めばよいのかを知るには絶好の書である。昭和41年の発行から改訂を重ねて現在は21版である。新しい版は最新の発掘方法を知るにはよいが、発掘調査書を読むに当って発行当時の手びきを参考にするために、いくつかの版を揃えるのもよいのではないだろうか。
歴史探索入門 史跡・文書の新発見
出版社:角川書店
発行日:2003年5月初版
ページ数:253P
著者:小和田哲男
定価:1,500円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
「歴史に出てくる土地を訪れて、自分なりの新しい発見ができたら、どんなに面白いだろうか。本書はそんな希望をかなえてくれる。歴史の現場を訪ねて多くの研究成果をあげてきた著者が、自分流の調査方法を一から教えてくれる。調べ方のノウハウから現地の人たちとの交流のマナーまで、アドバイスと調査に役立つ基礎知識がいっぱい。探索の楽しみが倍増して、きっと何かが発見できる、待望の入門書。」
数々の歴史書やNHK大河「功名が辻」の歴史考証としても有名な著者が60歳を目の前に自身の経験を踏まえて、歴史の現地調査のポイントを解説し、その際守ってもらいたいルールやマナーに触れている。学生をはじめ、一般の歴史愛好家にも非常に有用である。おすすめです。