編集・発行:長浜市教育委員会
発行日:1971年4月30日初版
ページ数:13P+図版16P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「長浜市指定史跡『長浜城跡』を、本市の都市計画公園整備のために、一部変更したい旨の協議を教育委員会へ求めて来た。早速その計画を調査したところ、長浜城の石垣があったところと推定される湖水の一部が、埋め立てられて、土地を造成することになっていることが判明した。そこで、教育委員会は、このことを本市の文化財審議院会にはかることとした。審議の結果、土地造成計画変更の至難なことを認め、埋め立工事に先だって、該当地の発掘調査を行なって、報告書としてこれを保存し、現場は埋めもどしをして、その直上に石垣の位置を表示する標識を設けることに決定した。発掘調査は、昭和44年11月から開始されたが、時たまたま冬期に向っての作業であったために、湖北地方特有の吹雪と、湖岸の発掘であったために、浸透水になやまされ、調査に当っていただいた方々の苦労も大きかった。しかし調査は順調に進んで、最初の推測どおり、長浜城の石垣の石群をはじめ、一石五輪塔、屋根瓦の破片等多数の遺物が発見された。この報告書は、発掘調査の結果をまとめたものではあるが、先人の足跡をしのぶ資料をも併せ集録しているので、本書が、長浜城の規模を、推察するための参考ばかりではなく当地の歴史の変遷をうかがう上でも何等かの参考にしていただければ幸である。」
長浜城跡の戦後の発掘調査としては最初の報告書が本書である。発掘調査日誌など最近の発掘調査報告書とは随分違う構成のところがあるが、廃城後の使用状況や届出までの経緯など興味深い報告が並ぶ。
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